マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

物語を煽情的に見せる技術

社会に向かって物語を提示する目的は―― 物語の受け手に何らかの情動や感覚を呼び起こすことです。 そのような意味で、すべての物語は煽情的であるといってよいでしょう。 煽情的である物語を見せるには、常に、 ――見せ方 を意識する必要があります。 社会に…

真偽の判断が自分の好みに左右されないとはいえない

ある命題が真か偽かを判断するときに―― 結局は、自分の好みが判断を左右するという話をきいて、(そうかもな……) と感じました。 ――AはBである。 という命題を真だと判断するのは、その命題が自分にとって好ましいと思えるからであって―― もし、忌まわしい…

ヒトの脳の人らしい働きについて、いくら詳細に考察しても

生物種としてのヒトを、人らしく振る舞わせる働きというのは―― おそらくは、ヒトの脳が担っていますが―― その働きは―― ヒトの脳の働きの基本的な部分からは、かなり遠いのでしょうね。 脳の働きの基本的な部分というのは―― 例えば、ヒトの脳をコンピュータに…

一見、常識に反するような主張を堅持するときは

世の中の多くの人たちが、 ――AはBである。 とみなしているのだけれども、 ――Aは本当はBではない。 ということが―― ある複雑な理屈をもとに―― 主張されていて―― その理屈を理解し、受け入れた結果―― その主張にすっかり納得していたはずなのに―― あるとき…

10代の受験期の頃は

10代の受験期の頃は、 ――偏差値 とか、 ――ランキング とかいう言葉が無性に気になっていて―― そうした言葉が寝ても覚めても頭から離れなかったように思います。 それは―― もう、ほとんど滑稽といってもよいレベルだったのですが―― もちろん、当時の僕は、そ…

自然は単純か、複雑か

一般に―― 物理学や化学の研究者は、 ――自然は単純だ。 と主張し―― 生物学や地学の研究者は、 ――自然は複雑だ。 と主張する傾向にあるようですが―― 実際の自然は―― どうでしょうか。 単純にみようと思ったら、いくらでも単純にみえ―― 複雑にみようと思ったら…

一瞥して読みたくなる文章と読みたくなくなる文章とが

一瞥して読みたくなる文章と読みたくなくなる文章とがあります。 その違いは、どこにあるのかというと―― たいていは表記形式です。 ひらがなと漢字との比率が不自然ではないか―― 余白が少なすぎず、かつ多すぎないか―― 余計な記号が多用されていないか―― そ…

訊かれたことには真摯に答えないと

たとえ、答えににくい質問ではあっても―― 訊かれたことには真摯に答えないと―― 余計な誤解を与えることになりえます。 ――例えば、AはBだと思うか。 と訊かれ、「その通り」とは口が裂けてもいえないようなときに、 ――αはβだと思う。 と答えれば―― 答えたほ…

「たとえ答えがわかっても……」とはいうけれど

高校生のときに―― 数学の授業で、 ――たとえ答えがわかっても、きちんと答案にまとめない限り、答えがわかったことにはならないよ。 と教わって以来――(そんなもんか) と思い定めて―― 以後、僕は―― 高校の数学の問題はいうに及ばず―― いかなる「問題」に取り…

怖いくらいに縛りのない自由な手法

フィクションでは―― 何をどんなふうに描こうとも自由ですから、最終的には、 ――所詮はフィクションなので、目くじら立てないで下さい。 で済ませてしまえるように思われがちです。 が―― この「何をどんなふうに描こうとも自由」という点こそが―― むしろ、フ…

継続型、成果型

仕事には2種類あって―― とにかく継続させることで、じわじわと成果が上がってくるものと―― とにかく成果さえ上げていれば、いつでも継続を打ち切れるものと―― 当たり前ですが―― 前者の継続型では、成果は二の次で、その仕事をいかに継続させていくかが焦点…

一流と二流以下とをわけるもの

一流と二流以下とをわけるものは―― 何でしょうか。 例えば―― 一流企業とはどういう企業で、一流でない企業とは何が違うのか―― あるいは―― 一流芸能人とはどういう芸能人で、一流でない芸能人とは何が違うのか―― もちろん―― そう簡単にはわけられないと思いま…

靴の爪先が細くなっているのは

女性用の靴は、ひと昔前から、爪先が細くなっているデザインが目立っていますが―― 最近は、男性用の靴も同様らしく――(え、なにこれ?) と思わず身構えてしまいました。(なんで細くなってるんだろう? 何かデザイン以外の意味があるんだろうか) そう思っ…

量販店では、たぶん、こういうことはない

とにかく間に合わせでいいから寝巻を買いたくて―― ふだんなら絶対に入らない百貨店に入って商品棚を探したのです。(どんなんでもいいや) と思って探していました。(少々高くても、よほど趣味が悪くないヤツなら、なんでもいい) と―― そうしたら―― なぜか…

感性の違いというのは

感性の違いというのは―― どうにも折り合いをつけられないので―― 大変です。 理性の違いなら―― 事実認識や論理思考で折り合いをつけることができるのですが―― 感性は、そうしたこととは基本的には無関係です。 ――よくないでしょ。 とか、 ――面白いね~。 とい…

生理、病理

医学を学んでいると、 ――生理よりも病理のほうが、わかりやすい。 と思えてきます。 生理というのは、正常な生体の基本的な機能くらいの意味で―― 病理というのは、病的な生体が正常な生体との違いくらいの意味です。 病理は、病的な状態と正常な状態を見比べ…

仕事だから休めない

体に悪いとわかっていることをするというのは―― いわゆる、 ――大人の論理 ですよね。 ――仕事だから休めない。 という理屈です。 小学生の頃、校長先生が朝礼か何かで、 ――皆さんは風邪をひいたら学校を休めますが、皆さんのお父さんやお母さんは休めないので…

行動が「突然」と感じられた場合には

人は、突然、思い切った行動をとることがあります。 ――ええ~! ホントに? というような……。 が―― その人の傍に始終いた人たちにとっては―― 実は、それほどの「突然」ではなかったりします。 人の行動には、しばしば発言や態度が前兆となって現れるからです…

つねに具体論と抽象論とを

具体論はわかりやすいのですが―― 一般的な関心を集めがたく―― 抽象論はわかりにくいのですが―― 一般的な関心は集めやすい―― そういう傾向があります。 ですから―― 何か主張をしようと思ったときには、具体論と抽象論とを程よく織り交ぜておくのがよいのです…

相手が1人だと

自分のことなら、目標を多少は高く掲げてもよいかとは思いますが―― 自分たちのことは、そうはいきません。 自分だけの場合と自分以外の誰かがいる場合とでは、話が大きく変わってくる―― 自分だけの場合は、いくらでも高い目標を設定できます。 その結果、な…

ファンタジーの2重構造

ファンタジーの難しさは―― 物語のメッセージが2重構造をとりやすいという点でしょう。 ファンタジーは、物語の舞台を新奇に作成し、その舞台の上で出来事が展開されていきます。 メッセージが2重構造をとるとは―― 新奇の舞台が放つメッセージとその舞台で起…

「可もなく不可もなく」

――可もなく不可もなく―― などといいますね。 たいていは「とくに良いわけでもなく、とくに悪いわけでもない」くらいの意味でいわれていると思います。 ところが―― 字面だけをよくみていると、(それは、なんだか変だぞ) と感じます。 例えば、大学などでの…

言葉遊びをやりたいときは

当たり前のことを当たり前でないように述べられると、(何をいってんだか……) という気持ちになります。 ここでいう「当たり前でないように述べられる」とは―― 例えば、「いかにも現代風のネット用語などが散りばめられながら述べられる」というくらいの意味…

「稚拙で不器用」であるがゆえに

どんなに辛辣な毒舌に聞こえても―― その背後に深い愛情が感じられるということは、たしかにあると思います。 とはいえ―― その愛情表現は、決して洗練されたものではなくて―― どちらかといえば―― 稚拙で不器用なものといわざるをえません。 洗練された愛情表…

致命的な失敗と、そうでない失敗との見極めが

挑戦をしなければ失敗はないのですね。 成功もない代わりに、失敗もない―― よって―― 失敗をなくすために挑戦をしない人がいるわけですが―― まあ―― 失敗が厳しく糾弾される社会においては、それもやむを得ない選択でしょう。 つまり―― 失敗を厳しく糾弾する社…

僕は「形式的なこと」が大嫌いだけど

――形式的 という言葉がありますね。 たいていは、良くない意味で使われます。 ――そんな形式的なことをしたって仕方がない。 というように―― 僕は、この「形式的なこと」というのが大嫌いでして――(形式的なことはしたくない。実質的なこと、実用的なことをし…

心理的な距離でも良い

付き合いづらい人とも仲良くするためには、適度な距離をとるのが良い―― などといわれますが―― その距離のことを―― 僕は、物理的な距離だと、ずっと思っていました。 そうではないのですね。 たしかに、物理的な距離をとれば、間違いは少ないと思いますが―― …

加筆修正の限界点

文章には―― どんなに巧みに加筆修正を施したとしても―― それ以上は絶対に改善されないという限界点がありまして―― もし、その限界点を越えて改善したい場合には―― 一から書き直さないといけません。 この加筆修正の限界点を知っているのと知っていないのとで…

それだけで切りとってみていたら

型を守り、ときに型を破る―― それが芸の要件ならば―― ある芸が一流であるか否かは、容易には判断できない―― ということになります。 型を守っている素人が型を破っている玄人よりも高く評価されることは十分にありうるでしょうし―― 逆に―― 型を破っている素…

朝からずっと横になっていることで初めてわかること

きょうは体調が悪くて―― 朝からずっと横になっていたのですが―― 朝からずっと横になっていることで初めてわかることというのが―― たしかに、あるのですね。 朝から晩まで忙しく立ち働いているときには決してわからないことというのが―― たしかに、あるのです…