体に悪いとわかっていることをするというのは――
いわゆる、
――大人の論理
ですよね。
――仕事だから休めない。
という理屈です。
小学生の頃、校長先生が朝礼か何かで、
――皆さんは風邪をひいたら学校を休めますが、皆さんのお父さんやお母さんは休めないのです。
と講話されていたことを思い出します。
当時の僕は、
(大人の論理というのは、実におかしなものだ)
と思ったものですが――
今なら、よくわかりますよね。
大人が風邪で仕事を休めないわけが――
休むための段取りが大変だからです。
同僚や上司や部下たちに様々な言伝をしなければならない――
要は、
――面倒くさいから、大人は風邪をひいても休まない。
ということです。
でも――
そういう「大人の論理」の裏側を、大人は子供に伝えたがらない――
昔日の校長先生が「何かと面倒くさいから」を省いたわけは、しごく当然です。
かくいう僕も――
昔日の校長先生と同じように、たぶん省くと思います。
もちろん――
医学的には、大人だろうと子供だろうと、風邪をひいたら休んだ方がいいに決まっているのですが……。