医学を学んでいると、
――生理よりも病理のほうが、わかりやすい。
と思えてきます。
生理というのは、正常な生体の基本的な機能くらいの意味で――
病理というのは、病的な生体が正常な生体との違いくらいの意味です。
病理は、病的な状態と正常な状態を見比べれば、とりあえず何事かは論じられてしまう――
一方――
生理は、正常な生体の基本的な機能を詳細に見つめた上で、何が正常で何が基本的なのかを洞察しないといけないので――
大変なのです。
つまり――
病理が完全にわかったときに、生理がわかる、ということですね。
医学に疎遠な人は、その逆だと思っています――無理からぬことですが――