マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

遊牧の起源(8)

 人類の現代の社会は、

 ――農耕・牧畜

 を基盤としている。

 

 むろん――

 現代の社会は、

 ――工業

 や、

 ――商業

 が顕著ではあるが――

 

 ――農耕・牧畜

 も――

 それらと同様、

 ――産業

 であることに変わりはない。

 

 つまり、

 ――産業

 は、

 ――農耕・牧畜

 が生まれて始まり――

 次いで、

 ――工業

 が生まれ――

 次いで、

 ――商業

 が生まれた。

 

 では、

 ――農耕・牧畜

 の前は、どうであったか。

 

 ……

 

 ……

 

 

 ――狩猟・採集

 は、明らかに、

 ――産業

 ではない。

 

 ――産業

 とは、

 ――人々の生活に必要な物事を作り出して差し出す営み

 である。

 

 ――狩猟・採集

 は、見つけ出し、差し出してはいるが――

 作り出してはいない。

 

 では、

 ――遊牧

 は、どうか。

 

 ……

 

 ……

 

 おそらく、

 ――遊牧

 も、

 ――産業

 ではない。

 

 ――狩猟・採集

 よりは、

 ――産業

 に近いといえるが――

 

 完全に、

 ――産業

 の域に達している――

 とは、いえぬ。

 

 ――遊牧

 は、

 ――作り出す

 よりも、

 ――見つけ出す

 が近い。

 

 原始の、

 ――遊牧

 が、

 ――野生の動物の群れに付いていく営み

 であったことを――

 忘れないようにしたい。

 

 ――遊牧の起源

 は、

 ――産業

 と、

 ――非産業

 との中間にある。

 

 『随に――』