マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

自分にもできることを人にやってもらうのは

自分にもできることを人にやってもらうのは、最大級のぜいたくである―― という考え方があります。 例えば―― 昔の王侯貴族は自分にもできることを近習にやらせていました。 靴下をはくことも近習にやらせていたとか―― 自分で靴下をはくほうが、ずっと楽だと思…

わかりやすくてスマートなおつり計算

なじみのお店にいって用事を済ませ、清算をお願いし、「1305円です」 といわれたので、5000円札1枚と10円玉1枚を出したのですが―― そんなふうに自分で出しておきながら、(あれ? おつり、いくらになるのかな?) と考え込んでしまいました。 10円玉を出し…

お勉強的な理解が自分の日常体験によって裏打ちをされると

今年の冬は、久しぶりに冷え込んでいるような印象があります。 仙台も、連日のように、最高気温が氷点下です。 こんなに寒い冬は、近年にはなかったように思います。 が―― 人の体とは面白いもので―― 今は、すっかり寒さになれています。 ほんの数か月前の秋…

何かの意見を表明するということは

何かの意見を表明するということは―― 必ず何かを切り捨てることにつながっているものです。 例えば、 ――今こそ、Aが必要である。 と意見を表明した場合は、言外に、 ――Bは、もう必要ない。 ということが表明されているに等しかったり―― あるいは、 ――Cに…

「時間が盗まれる」は正しいか

自分の時間を守ろうと思ったら―― 周囲の人たちのトラブルは覚悟したほうがよいでしょう。 例えば、職場で―― 上司から「暇だったら、この本棚、整理しておいて」といわれて、「本棚の整理、お急ぎですか?」と問い返したら、上司に怒鳴られるかもしれませんし…

体験に学ぶのは愚者も賢者も同じ

――愚者は体験に学び、賢者は歴史に学ぶ。 とは、19世紀プロセインの「鉄血宰相」ビスマルクの言葉だそうですが――(たしかに、そうだよな~) と、ずっと思っていました。 例えば、津波の恐ろしさについて―― 僕は、東日本大震災を機に、がらりと見方が変わり…

大学生の頃から悩んでいた数学の問題が

大学生の頃から悩んでいた数学の問題が、今週になって、あっという間に解けてしまい―― 嬉しいやら、悲しいやら―― 複雑な気持ちです。 いえ―― 大した数学ではありませんよ。 大学の教養課程レベルの問題です。 本気で数学者を目指しているような学生さんには…

「5分前集合」の5分間は無駄か

人と待ち合わせをするときに―― 約束の時間に約束の場所へ前もって着いておくことは、 ――無駄である。 と主張している人がいました。 ――「5分前集合」とかいって、その5分間が無駄じゃないか! と――(たしかに、その通りだ) と思いました。 当時、僕は10代…

書いているときの見栄や迷いが

3年くらい前に書いた自分の文章をみて、(なんじゃ、こりゃ?) と思うことがあるのです。 そう思うことは、そんなにイヤではなかったりするのですが―― 細かい筆致はもちろん、書いた内容それ自体も忘れているものですから―― 気味が悪いこと、この上ないの…

人が育つには失敗が必要

人が育つには失敗が必要なのですね。 成功だけでは、人は育たない―― 失敗をさせないように細心の注意を払って誰かの世話を焼いたりしたら―― その人は、まるで育ちません。 ですから―― そんなふうに世話を焼かれたら、世話を焼かれるほうは、かなり迷惑なので…

思考を重ねて答えが出なければ

思考を重ねて答えが出なければ―― 行動に移して答えを求めるしかありません。 ただ座って、ああでもない、こうでもないと、首をひねっているだけでは―― どんな結論だって導けません。 間違った結論すら導けないでしょう。 たしかに、間違った結論を導かないた…

「もの」と「こと」との違いを指摘されて衝撃を覚えるのは

いわゆる「もの」と「こと」との違いというのは―― 初めて指摘を受けた人には、ある種、衝撃的といってよいでしょう。 事実、僕も、そうした指摘を受けたときには、衝撃を覚えた記憶があります。 その理由は、一つには、欧米の言語に「もの」と「こと」との区…

老いが悲哀とみなされる原理

(歳をとったな~) と思うとき、 ――きょうまで、しっかり生きてこられた。 と感じているか、 ――もう、こんなにも生きてきてしまった! と感じているかで―― 感慨の質は変わってきます。 ――老いとは悲哀である。 と思っている人が少なくありませんが―― 実際に…

覚悟の問題

文芸と文学とを―― 僕は厳密にわけることにしています。 小説や随筆、詩(詞)は文芸です。 評論(論文、総説)は文学です。 これらを厳密にわけることは不可能であるという主張は、知っております。 実際、そうでしょう。 あらゆる学問には芸術的要素(主観…

夢は風穴に

最近、夢をみないのですよね。 何となく、みている感覚はあるのですが―― 目覚めてしまうと、まったく覚えていない―― つまり―― みていないに等しいのです。 夢をみて、(なんで、あんな夢をみたんだろう?) とか、(あの夢は吉兆かな? それとも凶兆かな?)…

誰かと本音で言い合えないのは

誰かと本音で言い合えないのは―― 相手を傷つけるのが怖いからではなく―― 自分が傷つくのを恐れているからでしょう。 もちろん―― 相手を傷つければ自分も傷つくという原理があるので―― この辺の人間関係論を説き始めると、話は一気に複雑になりますが―― たぶ…

曲と詞とが巧く調和されているかのように

唄は、曲と詞とから成り立っているとみなせますが―― 両者が、同時かつ同等に意識されることは稀といってよいでしょう。 曲のほうばかりが意識されたり―― 詞のほうばかりが意識されたりします。 その理由は、唄の作り手にとって、曲と詞とを巧く調和させるの…

「13日の金曜日」は2週間前に

きのうは、いわゆる「13日の金曜日」でしたね。 ――1日(ついたち)が日曜日だと、13日は金曜日になる。 という話をきき、(なるほど……) と思いました。 カレンダーをみれば明らかなことですが―― そんなふうに考えたことがなかったので、新鮮だったのですね…

子供の顔写真が大きく載っているカレンダー

いただきもののカレンダーを、お正月明けから、ずっと部屋にかけているのですが―― どうにも気分が落ち着かないのです。 どうして落ち着かないのかといえば―― 子供の顔写真が大きく載っているカレンダーなのですね。 とても可愛らしい感じのお子さんが―― おそ…

言葉中毒には要注意

人の日常生活の大部分は、言葉から成り立っています。 人は―― 言葉で考え、自分の意思を決め―― それを言葉で表し、他者に伝え、他者と関わっています。 日常生活は意思の決定の連続であり―― 多くの場合、他者と関わり続ける営みでもあります。 ですから―― 日…

今、目の前にいるその人が大事――過去のその人ではなく

今、目の前にいる人が、 ――AはBだ。 といっていて―― その人が、きのう、 ――AはCだ。 といっていたことに気づいたときに―― 僕らは、どのように対応したらよいでしょうか。 ――それは、おかしい。あなたは、きのうは「AはBだ」とおっしゃっていましたよ。…

つらく苦しい体験

僕らは、よく、 ――つらく苦しい体験 などといって、何となくわかったような気持ちになってしまうことがあります。 が―― 本当の「つらく苦しい体験」というのは、言葉では簡単には言い表せないものだと思っています。 一見「つらく苦しい体験」というのは、自…

声をおかけしなくてよかった

以下は、新幹線に乗って窓の外を眺めているときに、ふと思い出したことです。 去年か一昨年のお盆かお正月の時期に―― 有名な情報番組のキャスターの男性が、番組のなかで、 ――今夜、私も帰省します。自由席です。たぶん座席には座れないでしょう。座席の脇で…

努力の前に、まず感受

とある女優さんの申し分のないお芝居をみて―― 思わず唸ってしまいました。(まさに期待どおりだ!) と―― 期待に応えるというのは、難しいのですよ。 そんなに簡単に応えられるものではない―― それを見事にやってのけられたご様子をみて、(すごい!) と随…

知的誠実さ

――知的誠実さ を感じさせる必要条件は―― 少なくとも2つあると思っています。 1つは、 ――ホントのことを、ありのままに語る。 ということです。 つまり、 ――ウソをつかない。ごまかさない。 ということですね。 もう1つは、 ――自分がよくわかっていること…

体をつくる

――体をつくる。 といいますね。 スポーツ選手などが、シーズン・オフで長期休養をとった後、少しずつ体を動かしていって、新たなシーズンを迎える準備を調えるときなどに、よく使われる言葉です。 きょうも、車を運転しながらラジオをきいていたら、この言葉…

雑用

――雑用をこなすことで、精神を鍛練できる。 といった話―― よく耳にしますね。 これ―― 僕は、(ウソだ) と思っていました。 便所掃除を毎日やったからといって、人格者になれるわけがない、と―― が―― 最近になって、(ホントかも……) と思うようになっていま…

ぜいたく

ぜいたくには正道と邪道とがあって―― ぜいたくであることを十分に自覚した上で、ぜいたくを積極的に楽しむのが正道―― ぜいたくであることを十分に自覚しないままに、ぜいたくを受動的にこなすのが邪道―― そう思っています。 例えば、レストランに入って―― メ…

店員さんは、客が思っている以上に

ここ数年、ときどき利用している喫茶店に行ったら―― ウエイトレスさんに、「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」 と挨拶されました。(あ、僕は顔を覚えられているんだな) と実感しました。 名前も覚えられているかもしれません…

静かな、静かな、寝正月

きょうは、例年のごとくに、寝正月です。 といいますのは―― 風邪をひきまして……。 昨夜から、どうも寒気がするのですね。 のども痛くなっているし―― たまっている書き物をこなしつつ―― だるくなったら布団にくるまって横になる―― そんな一日を送りました。 …