――雑用をこなすことで、精神を鍛練できる。
といった話――
よく耳にしますね。
これ――
僕は、
(ウソだ)
と思っていました。
便所掃除を毎日やったからといって、人格者になれるわけがない、と――
が――
最近になって、
(ホントかも……)
と思うようになっています。
そのキッカケは、
――雑用
の意味を吟味した結果です。
雑用というのは――
単に「面倒くさいこと」とか「みんなが嫌がる仕事」とかではなく――
――誰にでもできる仕事
であろうと思うのです。
とくに優れた能力や珍しい資格がなくてもできる仕事――自分が放り出すならば、誰か別の人が片づけるまで――
そのような仕事を黙々とこなしつづけることで、ちっぽけな自分の存在を内省する――
それが、真の雑用であろうと思うのです。