マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「女性」「女」「人」の関係性

「女性」とは、 ――女の子が成人をしたもの つまり、 女性 = 人と成った女 と理解しうる――ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 いわずもがなのことですが―― ここでいう「人」は、「子」と対比された概念です。 つまり―― ここでいう「人」とは…

「女性」「女」「人」

――「女として」「男として」? それとも「人として」? の問いについて―― きのうの『道草日記』で触れました。 この問いは―― 結局のところ―― 自分の性別がどちらであり、かつ、異性・同性どちらに関心が向かうか―― に、よります。 よって―― 例えば、僕自身の…

「女として」「男として」? それとも、「人として」?

相手を、 ――女として みるか、 ――男として みるか―― それとも、 ――人として みるか―― それは―― なかなかに厄介な問題です。 もちろん―― 日常生活の大半では、“人として”みるのがよく―― “女として”あるいは“男として”みる事態は、かなり稀です。 が―― 日常生…

「粋」の問題が面白いわけ

――粋(いき) の最大の不思議は―― その性質(魅力)が、 ――女として ものなのか―― あるいは、 ――男として のものなのか―― それとも、 ――人として のものなのか―― それが―― いま一つ判然としないところにあります。 それゆえに、 ――「粋」とは何か。 の問いに…

“男性が女性に感じとる「粋」” の具体例

きょうは―― 2)男性が女性に感じとる「粋」について―― その具体例を挙げましょう。 僕は、この “男性が女性に感じとる「粋」” こそが、 ――最も粋らしい「粋」である。 と考えています。 つまり、きのうの『道草日記』で触れた、 1-1)男色の観点から捉えられ…

「粋」の性差ごとの具体例

――粋(いき) の性差を考える場合は、「粋」が「男の関心事」であることに留意をした上で、 1)男性が男性に感じとる「粋」 2)男性が女性に感じとる「粋」 に分けて考えて―― これらのうち、“男性が男性に感じとる「粋」” については、 1-1)男色の観点から…

“男性が女性に感じとる「粋」” には不知の要素が大きい

――“男性が女性に感じとる「粋」” は危うく張りつめている。 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 この緊張感の由来は―― きのうの『道草日記』で述べたように―― 男性の感性と女性の理性との鬩(せめ)ぎ合いです。 主体となる男性は、客体とな…

“男性が女性に感じとる「粋」” は危うく張りつめている

――「粋(いき)」の性差を考える場合は、“男性が男性に感じとる「粋」” と “男性が女性に感じとる「粋」” との2つを考えればよく、これら2つの「粋」のうち、“男性が男性に感じとる「粋」” については、“男色の観点から捉えられるべき「粋」” と “女性の主…

“男性が男性に感じとる「粋」” には2つある

――「粋(いき)」は「男の関心事」といえるので、「粋」の性差を考える場合には、“男性が男性に感じとる「粋」” と “男性が女性に感じとる「粋」” との2つを主に考えればよい。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 もちろん、“女性が男性に…

「粋」は実は4つに分けるのがよい

「粋(いき)」は、 ――男性の「粋」 と、 ――女性の「粋」 との2つに分けられる――と、きのうの『道草日記』で述べましたが―― 本当は、2つではなく、4つにわけるのがよいと思っています。 すなわち、 ――男性が男性に感じとる「粋」 と、 ――男性が女性に感じ…

「粋」は「男の関心事」といってよい

「粋(いき)」が「色気の嗜(たしな)み」である以上、 ――男性の「粋」 と、 ――女性の「粋」 とは区別されるのが自然でしょう。 きのうまでの『道草日記』では、あえて男女の「粋」を区別しませんでした。 4日前の『道草日記』で述べたように、 ――粋は人物…

野暮にならない「粋がる」の使い方

――「粋(いき)がる」という言葉は使い勝手が悪い。 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 要するに、 ――粋というのは、誰かの所作や態度に対して自分自身が感じとる性質であり、その“誰か”自身が感じとる粋と自分自身が感じとる粋とは、ふつう…

「粋がる」は使い勝手の悪い言葉

――粋(いき)がる という言葉がありますね。 ――自分で自分のことを「粋だ」と思って振る舞う。 くらいの意味です。 ――粋は、つねに個別具体的な現れ方をするのであり、粋の普遍抽象的な現れ方を論じても意味がない。 ということを、きのうまでの『道草日記』…

まったく個別具体的な粋の現れ方

――粋(いき)は、それぞれの人物に固有の現れ方をする。 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 そうであるならば―― 例えば、 ――「粋」とは、具体的には、どういう性質か。 という問い方には、あまり意味がない―― ということになります。 つまり…

粋は、それぞれの人物に固有の現れ方をする

――「粋(いき)」は散逸構造に擬せられる。 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 もちろん―― 「粋」と「散逸構造」とは、まったく次元の異なる概念であり、「両者は同じである」と主張するつもりは毛頭ありません。 が―― もし、「粋」に散逸構…

「粋」は散逸構造に擬せられる

――「粋(いき)」とは、体力や気力の流れに生じる泡沫(うたかた)のようなものである。 と、きのうの『道草日記』で述べました。 そうであるならば―― では、 ――野暮 は、どう考えればよいでしょうか。 難しくはありません。 ――体力や気力の流れに生じる泡沫…

体力や気力の流れに生じる泡沫のようなもの

――粋(いき) が成り立つためには、体力や気力の充実が必要でしょう。 ――色気の嗜(たしな)み が「粋」です。 体力の充実は色気を研ぎ澄ませるのに必要であり、気力の充実は嗜みを練り上げるのに必要です。 ここでいう「体力の充実」とは、よく食べ、よく動…

「粋」と「野暮」との対立構造からみえること

――「粋(いき)」には“江戸の深川”から飛び立ちうる普遍性があり、それを掴むには、「粋」と「野暮」との対立構造を探る必要がある。 といったことを――きのうの『道草日記』で述べました。 おとといの『道草日記』で述べたように、 ――「粋」の断定性 に対し…

“江戸の深川”から飛び立ちうる普遍性が

――粋(いき) や、 ――野暮 は、日本の江戸期に成立した概念であり、日本語圏に固有の美意識とみなされている、ということを―― 10月31日の『道草日記』で述べました。 「粋」や「野暮」を語る際に―― これらの出自にこだわる向きがあります。 すなわち、 ――「…

「粋」の断定性

――「粋」がもつ嫌らしさ について、きのうの『道草日記』で述べました。 それは―― 一言でいえば、 ――「粋」の断定性 です。 これは、 ――「野暮」の婉曲性 と対を成しています。 きのうの『道草日記』で触れた掛け合い―― すなわち、 ――よぉ! お姐さん、粋だ…

「粋」と「野暮」とは従属しあっている

――「野暮」の面白みは「粋」の洒脱さと根本で繋がっている。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 いいかえると、「粋」という概念の垢抜けた様子が、その対義語である「野暮」に、軽妙な謙譲の美徳をもたらしている―― ということです。 「粋…

「野暮」の面白みは「粋」の洒脱さと繋がっている

――「野暮」の婉曲性 について、きのうの『道草日記』で述べました。 この婉曲性は意外に重要ではないか、と―― 僕は思っています。 とくに、 ――へりくだりの美徳 という日本に固有の発想を考えるときに―― 「野暮」が果たしている役割は決して小さくはないよう…

「野暮」の婉曲性

――「上品」は「粋(いき)」ではなく、「野暮」である。 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 では―― ――猥褻(わいせつ) は、どうか―― 「猥褻」については、2018年10月10日の『道草日記』で述べました。 「猥褻」とは、 ――色気と背徳との掛け…

「上品」は「野暮」――

――「粋」の対極は「野暮」である。 ということを――10月31日以来、この『道草日記』で繰り返し述べています。 この「粋」と「野暮」との構造は―― しばしば直線で――例えば、数直線のような評価軸で――とらえられてしまいがちなのですが―― 僕は、 (違う) と思…

粋は自覚されるのではなく他覚される

――粋(いき) とは、 ――色気の嗜(たしな)み である、ということを――この『道草日記』で連日、述べております。 このことに関し、ぜひとも指摘しておきたいことは、 ――粋は決して自覚されえない。 ということです。 例えば、誰かの様子をみて、 ――ああ、彼…

粋、女優、裸の人体

――粋(いき) とは、 ――色気の嗜(たしな)み である、と――きのうの『道草日記』で述べました。 私見です。 どれほどの賛同が得られるかは、わかりません。 …… …… ――「粋」とは「色気の嗜み」である。 というときに―― もちろん―― その比重は、あきらかに「嗜…

九鬼周造の「粋」が物語っていること

九鬼周造の「粋(いき)」は、 色気 勝気 心得 の3つの要素から成ると理解し得る、ということを――きのうの『道草日記』で述べました。 もちろん、 ――色気 とは、「あからさまな色気」ではなく、 ――滲み出る色気です。 また、 ――勝気 とは、「周囲に撒き散ら…

色気、勝気、心得

昭和前期の哲学者・九鬼周造は、論文『「いき」の構造』の中で、「粋(いき)」が次の3つの要素から成ることを指摘しました。 媚態 意気地 諦め です。 何のことか、ちょっとわかりづらいと思います。 同じ論文の中で、 ――垢抜して張りのある色っぽさ と、…

「粋」を学問の対象にするということは

――「粋(いき)」も「野暮(やぼ)」も感性の問題である。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 ――感性の問題である。 とは、つまりは、 ――主観でしか捉えられない。 ということです。 こう述べると、 ――では、「粋」も「野暮」も誰かの思い…

「粋」も「野暮」も感性の問題

――恋愛と芸術とは「粋(いき)」や「野暮(やぼ)」で通底している。 と、きのうの『道草日記』で述べました。 繰り返しますが、 ――粋 の対義語が、 ――野暮 です。 よって、しばしば、 ――「粋」とは何かを考えたり語ったりすることは野暮の極みである。 など…