マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「市民革命」は「政権革命」――

――市民革命 という日本語は、汎用はされていますが―― そんなにわかりやすい言葉ではない―― ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 ここでいう「市民」とは、 ――中流階級 という意味であり―― 例えば、 ――大阪市民 とか、 ――パリ市民 とか、 ――ロ…

市民革命:わかりやすい言葉ではない

――市民革命 という言葉は―― 日本語圏では、わりと当たり前に使われていますが―― 実は―― それほど、わかりやすい言葉ではありません。 ――市民革命 というときの「市民」とは、 ――中流階級 のことです。 ――上流階級と労働者階級との間の全て くらいの意味です…

市民革命は現代にも起こりうる

いわゆる市民革命は―― 政治における、 ――平等性の改善 が本質であり―― この本質こそが、人の歴史――あるいは、ヒトの進化史――の本態ではないか―― ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 もし、そうであるならば―― 21世紀序盤の現代においても―― …

人の歴史――あるいは、ヒトの進化史――の本態

――300 年間にわたるイギリス革命 という捉え方について―― きのうの『道草日記』で述べました。 その革命に通底をした共通の要素は―― 政治における、 ――平等性の改善 である―― ということも述べました。 つまり―― 清教徒革命や名誉革命は、 ――君主の権限が弱…

300年間のイギリス革命を貫く共通の要素

イギリスにおいて―― 17世紀中盤に起こった清教徒革命―― 17世紀終盤に起こった名誉革命―― 18世紀後半に起こったアメリカ独立戦争(アメリカ革命)―― 20世紀中盤に起こった第二次世界大戦後の脱植民地化―― これらを全てまとめて、 ―― 300 年間にわたるイギリス…

17世紀から20世紀までの 300 年間で起こった“革命”

18世紀後半に起こった、 ――アメリカ独立戦争 は、一方の当事国であるアメリカでは、 ――アメリカ革命(American Revolution) と呼ばれている―― ということを、おとといの『道草日記』で述べました。 もう一方の当事国であるイギリスでは、 ――独立アメリカ戦…

アメリカ独立戦争での“負けっぷりの良さ”

18世紀後半のアメリカ独立戦争では―― ともすると、 ――開明的な北アメリカ大陸の民主主義国家が、退嬰(たいえい)的なグレートブリテン島の権威主義国家を打ち負かした。 という粗筋で理解をされてしまうのですが―― 実際には、そうとはいいきれません。 先に…

アメリカ独立戦争:アメリカでは、そうは呼ばれない

18世紀後半のアメリカ独立戦争は―― 独立を求める側が、独立を許さない側に対し、先に暴力に訴え――武力を用い――独立を認めさせる実力行使に出たために―― 今日、物語の題材とは、なりにくくなっているのではないか―― ということを、きのうの『道草日記』で述べ…

アメリカ独立戦争が物語の題材になりにくい理由

――独立戦争 は、物語の題材としては、かなり微妙といえる―― ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 例えば―― 独立を求める側が、独立を認めない側によって、 ――次々と殺戮をされていく。 といった設定でも加えない限り―― 独立戦争の物語が広く共…

独立戦争が物語の題材として微妙な理由

――戦争、反対! というときに―― その「戦争」が、 ――侵略戦争 であれば、異論は少ないのですが、 ――防衛戦争 や、 ――独立戦争 であれば、俄然、異論が多くなります。 実際のところ、 ――防衛戦争 や、 ――独立戦争 は、しばしば物語の題材に取り上げられます。…

独立戦争の否定や肯定を考える

――防衛戦争と同じように否定が難しい戦争に、独立戦争がある。 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 ――独立戦争の否定 は、 ――決して自国の主権の回復・獲得を目指さない。 と決断を下すことに繋がり―― それは、素朴な意味で、 ――堪忍 を要す…

防衛戦争と同じように否定が難しい戦争

――防衛戦争はともかく、侵略戦争には反対である。 と現在おそらく日本に住んでいる人たちの殆どは考えている―― ということを、4月24日の『道草日記』で述べました。 ここでいう、 ――防衛戦争 とは、 ――外国からの侵略の予防を目的とする戦争 のことで、 ――侵…

その予測を単なる夢想以上の期待にするには

――仮想現実(virtual reality)の戦争教育が、この世界から戦争をなくすかもしれない。 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 また―― それは、 ――夢想 かもしれない、とも―― …… …… ――仮想現実の戦争教育が、この世界から戦争をなくすかもしれな…

仮想現実の戦争教育が、この世界から戦争をなくすかもしれない

――人が戦争をよく知るには、どうしたらよいか。 との問いの答えとして、 ――仮想現実(virtual reality)を用いた戦争教育 を考えている―― ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 仮想現実が兵士らの訓練で使われようとしているそうです。 現在の…

仮想現実を用いた戦争教育

――人は、なぜ戦争を始めるのか。 という問いに対し、 ――戦争をよく知らないから―― という答えを、3日前の『道草日記』で示しました。 よって、 ――人が戦争を始めないようにするには、戦争をよく知ればよい。 という結論に至ります。 では―― 人が戦争をよく知…

実際の体験だけで戦争を知ろうとしても間違える

――戦争について、報道や戦記で知りうる範囲は、どうしようもなく浅いが、それなりに広いことは間違いない。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 裏を返すと、 ――戦争について、実際の体験で知りうる範囲は、それなりに深いが、どうしようも…

戦争に関する知識や理解や洞察が薄っぺらだったなぁ

――戦争について、報道や戦記で知りうる範囲というのは、しょせんは、ごく表層である。 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 ――現地で戦争の体験を実際にしている人たちに比べれば、その範囲は無視ができるくらいに浅い。 と―― …… …… ただし―― …

人は、なぜ戦争を始めるのか

今回のロシア政府によるウクライナ戦争の報道に触れて―― あらためて、 (いったん戦争が始まると、人は、ここまで冷酷になれるのか) ということを痛切に感じました。 もちろん―― これまでにも、近現代史の戦記の類いに目を通すことで―― 戦場での人の残虐な…

権威主義の何が善かったのか

権威主義は、 ――民を怠惰にしやすい。 という点で、民主主義よりも悪い―― ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 このように述べると―― まるで権威主義が絶対的な悪であるかのように感じられますが―― そうではありません。 ――民を怠惰にしやすい…

権威主義の何が悪いのか

――権威主義の何が悪いのか。 ということを考えています。 これは反語ではありません。 厳密かつ冷静に―― 権威主義が悪い理由を明らかにするための自問です。 日本は、きのうの『道草日記』でも述べたように、一党優位性ではあるのですが―― 少なくとも形式的…

民主主義と権威主義との連続的な差異の程度を示しうる変数

――民主主義と権威主義との差異は連続的である。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 要するに、 ――権威主義的な民主主義があり、民主主義的な権威主義がありうる。 ということです。 しばしば指摘をされるように―― 例えば日本は、あらゆる成…

民主主義と権威主義との差異は連続的

民主主義に対して権威主義――あるいは、権威主義に対して民主主義――という構図を―― 僕は、わりと普段から考えるようにしているのですが―― この、 民主主義 ←→ 権威主義 の対立関係は―― 決して 0 か 1 かの二値的な差異に基づくのではなく―― なだらかで連続的…

古代ギリシャ・ローマの民主主義は本質的には権威主義かもしれない

――権威主義の国ならウソをつくしかない。 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 5月6日以降『道草日記』で繰り返し述べているように―― 権威主義の体制では、 ――政権の運営 は、 ――映画の撮影 のように捉えられていると考えられます。 この体制…

権威主義の国ならウソをつくしかない

権威主義の体制に慣れ親しんでいる人たちは、 ――政権の運営は“映画の撮影”である。 と考えるために、“監督”がコロコロと変わりうる民主主義の体制は、 ――映画が支離滅裂な作品に仕上がってしまう。 という意味で、 ――危険である。 と感じる―― ということを、…

政権の運営を映画の撮影に喩えると

政権の運営を映画の撮影に喩えると、 ――民主主義の制御不能性 が、わかりやすくなる―― ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 ――民主主義の制御不能性 というのは、 ――撮影をされる映画が、どんな作品に仕上がるのかが、誰にもわからない、とい…

民主主義の制御不能性

権威主義の国の人たちが“権威主義からの脱却”に踏み切れなかったのは、 ――民主主義の制御不能性 を危険とみなしたからであろう―― ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 ――民主主義の制御不能性 とは何か―― …… …… 民主主義の国では、民が国の主…

なぜ“権威主義からの脱却”に踏み切れなかったのか

1990年代に冷戦が終わった頃―― 少なくとも主要7か国(Group of Seven, G7)に住んでいた人々の多くは、当時、 ――市民革命の産物である“権威主義からの脱却”を受け入れることなく、産業革命の産物である“自由主義による経済”を取り込むことは不可能である。 …

市民革命 ⇒ 産業革命 ?

――市民革命は産業革命が起こるのに必要であった。 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 もちろん―― この命題の真偽はわかりません。 17世紀中盤にイギリスで市民革命が起こり始め―― 同じイギリスで18世紀に産業革命が起こり始めた―― この歴史…

ロシアは18世紀以前の社会を保っている

――現在のロシア政府の最高指導者は、18世紀以前に生まれていたら、英雄になっていたであろう。 との指摘があるそうです。 要するに、 ――現在のロシア政府の最高指導者が思考をして行動に移していることは、18世紀以前であれば、ごく普通のことであり、ことさ…

ロシアに対し、そこはかとなく尊敬の念を抱いていた

ロシアが、現在のロシア政府の最高指導者によって統治をされ始めて以降―― ほかの国から尊敬の念を抱かれたことがあったであろうか―― ということを考えます。 畏怖の念を抱かれたことはあるでしょう。 親和の情を抱かれたこともあるでしょう。 が―― 尊敬の念…