マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

議論の場は創造の場

誰かと議論をするときに―― 相手が今からでも変えられるところを糾弾するのは有意義ですが、今さら変えようがないところを糾弾するのは無意味です。 ――あの時に○○をしなかった。今度はするべきだ! と提案するのは構いませんが、 ――あの時に○○をしなかった。…

自分自身が非日常の存在になる

人は、ずっと非日常の体験を繰り返していると―― やがて、そうした体験に慣れていき―― ついには、自分自身が非日常の存在になってしまうかもしれません。「自分自身が非日常の存在になってしまう」とは、 ――自分の感覚が非日常的な事物を日常的ととらえ、自分…

岡山駅のホームに立つと

年に数回、JR岡山駅を利用します。 近くに母が住んでいるからです。 * 僕は、高校の3年間を岡山で過ごしました。 岡山から隣の広島県の福山市の高校に通っていました。 電車通学でした。 ですから―― 僕の岡山駅の記憶は、高校時代の記憶と分けることができ…

チーム内不和なきチームの分裂

チームがチームとしてまとまるには―― 何か共通のマインドをもつ必要があります。「マインド」というのは―― 動機付けとか目標の維持とか体験の反芻とか関心の方向性とか―― そういった心の働きのことです。 これらのマインドが分裂していると―― つまり―― チー…

議論のための議論というのは

議論のための議論というのは―― 面白くないのですね。 例えば、 ――仕事に大切なのはスピードかクオリティか。 といった議論は、そんなに面白くない―― どちらも大切なのは自明だからです。 より正確には―― 仕事を取りまく状況によって、どちらが大切かが決まる…

空間的だけでなく時間的にも

自宅近くの、いつも通る路地でも―― 通る時間帯が違えば、まったく別の街を歩いているように感じます。 いつも夜中に通る路地があるのですよ。 その路地では―― すれ違う人は、まばらです――たまに、コンビニの買物袋を下げた若い人たち―― が―― きょう、夕方の…

組織を作って使うか、育てるか

組織を作る人は、大きく2通りに分かれると思っています。 組織を作って使う人と―― 組織を作って育てる人と―― です。「組織を使う」とは、人々を集めて自分の思い通りに動かし、自分の関心のあることを成し遂げようとすることです。「組織を育てる」とは、人…

ふだん使わない言葉で洒落を思いつくと

きょうは二十四節季の一つ、霜降(そうこう)にあたるそうです。 複数のラジオ番組で紹介されていました。 ――いよいよ秋も大詰め―― といった頃合いでしょうか。 霜降の次が立冬で―― その後、小雪、大雪、冬至と続きます。(面白いな) と思ったのは―― いえ――…

民心の離反した権力者の最期というのは

リビアの指導者カダフィ氏が死去しました。 報道を総合すると、反カダフィ派の兵士たちに拘束された後で、何者かに殺害されたようです。 生まれ故郷の町に潜伏していたようですが―― 電気や水道が使えず、食べるものに困り、警護兵たちが盗んできた食べ物で空…

式辞を無難にこなすのは

式典の中の式辞というのは―― 短くてもいけませんし、長くてもいけませんね。 短ければ、手抜きをしたように感じられ―― 長ければ、うっとおしい雰囲気を作ってしまう―― ほど良い長さというのが、式辞にはあるのです。 式典にも、 ――流れ というのがありまして…

政治に言葉が欠かせぬ理由

きのうの夜―― 何気なくTVをみていたら、(おや……) と思うことがありました。 NHKのニュース番組に野田総理が登場されたのです。 現職の閣僚がTV局のスタジオで隣席のキャスターからインタビューを受けることは、昨今では、特段に珍しいことではなくなってい…

人の気持ちのうねりという波動を

人の気持ちは変わりやすいものです。 だからこそ、思いはうねる―― 気持ちが予想外に高まり、強い思いを結実させる―― そうした思いが、ときに詩になったり小説になったりします。 そのようにして書かれた詩や小説が―― その後、どうなっていくのか―― 書き手の…

とても複雑な気分で1日を

いま夜です。 きょうは―― 朝には、(長い1日になるな~) と感じていたのですが―― 夕方には、(短い1日だったな~) と感じていました。 こういう日は―― 良い日なのでしょうかね。 それとも―― 悪い日なのでしょうかね。 終わってみれば、そんなに悪くはな…

社会の構成要素は人間ではなく

ずっと前から、 ――社会の構成要素は人間である。 と、何となく思っておりましたが―― きょう―― ふと、(そうじゃないんじゃないか) と思うようになりました。 構成要素は人間ではなくて―― 人間関係ではないか―― そう思うのです。 その辺の定義が学問的にはど…

小説の中の自分の影というものは

小説を書いていると―― 自然に自分の好みが反映されてしまうものなのです。 例えば―― 登場人物の愛用している日常品が、なぜか作者自身の愛用品と同じであったりして―― ですから―― 小説は、極度にプライベートな文芸手法だと理解できるわけですが―― 本当は、…

心に余裕がないと

心に余裕がないと、何をやっても楽しめません。 どんなことも味気なく感じられる―― 心に余裕のあるときだったら、 ――これ、大好き~。 と思うようなことも、やる気になれない―― そんなときに―― 心に余裕をもたせるには、どうしたらよいのでしょうか。 これが…

「自分は変わらない」と信じていたいけれども

――時代が変わっても、社会が変わっても、あなた自身は変わらない。 といった見解をときどき目にします。 これは、正しくは「見解」ではなく「激励の言葉」でしょう。 誰しも「自分は変わらない」と信じていたいものです。 たしかに、そのように無条件に信じ…

何のための「hungry」や「foolish」なのか

アップル社のスティーブ・ジョブズさんの言葉が、注目を集めているようです。 先週、突然の訃報が世界を駆け巡ったことに端を発しているようです。 その言葉とは、 ――Stay hungry. Stay foolish. ジョブズさんが、2005年にアメリカのスタンフォード大学の卒…

言葉以外にも大切なものはある、けれど

コミュニケーションに言葉は大切だけれども―― 言葉だけでは不十分である―― そう思っています。 このことを拡張し、 ――言葉以外にも大切なものがある。 と主張する人がいます。 たしかに、言葉以外にも大切なものがあるかもしれないとは思いますが―― その、 ―…

責任を果たすということ

責任を果たすということは、依頼をこなすということと、かなり似てはいますが―― 実際には、微妙に違います。 何が違うのか―― 依頼をこなすときに、その「依頼」が、誰によって、どのような理由でされているのかの吟味があるかないかの違いです。 そうした吟…

万事ウマくいくということは

最近、朝の早起きが嫌いでなくなってきました。 20代の頃までは大嫌いで―― 30代になっても、ずっと嫌いだったのですが―― 震災以後、嫌いでなくなってきました。 直接的な理由は、震災によって公共交通状況が様変わりしたことです。 以前は、朝の移動に電車を…

自分の本音であろうと、他者の本音であろうと

自分の本音は、自分では何となくわかっています。 が―― その本音を、巧く言葉には表せない―― 言葉に表してしまったら、自分の心の現実に直面しなくてはなりません。 現実というのは、たいていは心地よくないものです。 自分の本音でさえ、そうなのですから――…

もっともらしい理論体系を耳にしたときに

もっともらしい理論体系を耳にしたときに―― もし、その理論の実証のプロセスが明らかにされていなかったら―― ひとまずは疑ってかかるのがよいでしょう。 実証なき理論は、虚構です。 虚構は、それ自体は悪いものではありません。 現実から遊離していることを…

「大人」談義は観念論ではないか

思春期を過ぎた人ならば―― 自分は本当に大人なのかどうかについて―― 一度は真剣に悩んだ経験をもっているでしょう。 自分が大人かどうかなどは、自分では決してわかりませんし―― そもそも、 ――大人 とは、どういう概念なのかを定義すること自体が容易ではあ…

自分が恵まれていても、いなくても

人は、自分が恵まれていても、そのことに容易には気づきません。 悲しいことに―― 自分よりも恵まれていない人たちをみることで初めて気づいたりします。 では―― 自分が恵まれていることに気づくために―― 人は、自分よりも恵まれていない人たちのところへ赴く…

あまりにもガムシャラに頑張っていると

頑張れば頑張るほどに、状況がドンドン悪化する―― そういうことがあると思うのです。 そういうときは―― ガムシャラに頑張ったりはせずに、状況が少しでも好転するのを、じっと待つのがよいでしょう。 というのは―― あまりにもガムシャラに頑張っていると、状…

ラジオは“エンジン音”という壁にうがたれた窓

車の運転中にCDをかけるのは―― 部屋の壁に絵をかけるようなものです。 額縁に囲まれた絵画が壁の陰影の味気なさを補ってくれるように―― CDの音楽がエンジン音の味気なさを補ってくれます。 が―― CDは、あくまでも絵であって―― 窓ではないのですね。 窓はラジ…

小説の書き方に悩み続けるほうがよい

小説を書くという行為と文章を書くという行為とが、ハッキリとは区別できていなかった時期が―― 僕にはあります。 10代後半から20代前半にかけて、です。 その頃は、「文章を書く」とは、とりもなおさず「小説を書く」ということを意味していました。 小説以…

最後の打者の打球の行方を

ミラーの修理のために、車をディーラーさんへ持って行きました。 修理を待っている間、新車展示場の壁際に置かれたTVでプロ野球の試合が放映されていました。 ちょうど、福岡ソフトバンク・ホークスが優勝を決めるかどうか、という試合でした。 8回の表裏の…

とても本当っぽくてイヤ

「幸せとは?」と訊かれたら、 ――それは、「幸せとは?」などと問わないで済むような精神状態にあること―― と、僕なら答えるでしょう。「幸せとはなんだろうか」と考え込んでいるような人は―― たいていは、 ――幸せではない……。 と、僕は思います。 では―― ど…