組織を作る人は、大きく2通りに分かれると思っています。
組織を作って使う人と――
組織を作って育てる人と――
です。
「組織を使う」とは、人々を集めて自分の思い通りに動かし、自分の関心のあることを成し遂げようとすることです。
「組織を育てる」とは、人々を集めて連携させ、それらの人々が自分の思惑とは関係なく動くのを待とうとすることです。
組織を使う人にとっては、組織は手段であり、道具です。
組織を育てる人にとっては、組織は目的であり、作品です。
どちらが良いとか優れているとかいうことではありません。
組織を使うということは、組織を隷属させることでもあります。
組織を育てるということは、組織を迷走させることでもあります。
どちらも、組織と組織を作った個人との関わり方としては、きわめて自然な成り行きと思うのです。
また、これら2通りの関わり方は、決して二律背反ではありません。
組織を使いながら育てることも、たぶん不可能ではないでしょう。
組織を全く使わなかったら、きっと育てることは不可能でしょう。
が――
たいていの場合は、組織と組織を作った個人との関わり方は、多かれ少なかれ、どちらかに傾くに違いない――
ということです。
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ちなみに――
僕自身は、どちらかといえば「使う」よりも「育てる」のほうに親しみを覚えます。
特段の目的もないのに、ただ何となく組織だけを作り上げていく――
そういったことに、それなりの興味をもってしまうような性分なのです。
幸か不幸か――
そういったことに手を出したことは、まだ、ありませんがね。