マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

恒温動物は変温動物より進化しているか

――恒温動物は変温動物より進化している。 と―― つい僕らはいいたくなりますが―― 実際には―― そうはいえません。 理由は2つあって―― 1つは、「恒温動物」や「変温動物」といった言葉自体が、最近では使われなくなっている、ということです。 きのうの『道草…

「恒温動物」「変温動物」は使われない

「恒温動物」「変温動物」という言葉を―― きのうの『道草日記』で用いました。 「恒温」というのは、「恒(つね)に体温が一定の」くらいの意味で―― 「変温」というのは、「体温が変化しうる」くらいの意味です。 が、最近では―― これらの言葉は、あまり使わ…

「哺乳類と爬虫類」から「生物と無生物」へ

――哺乳類と爬虫類の違いは? といった質問が―― 子どものときから、どうも好きになれませんでした。 それよりは、 ――恒温動物と変温動物の違いは? のほうが好きでしたし―― それよりも、 ――動物と植物の違いは? のほうが好きでしたし―― それよりも、 ――生物…

“熱力学の第二法則”が醸した物議

“熱力学の第二法則”に―― きのうの『道草日記』で触れましたが―― この法則は―― 本来の学問上の意義とは別の観点から―― 世界に広く物議を醸したことで有名です。 20世紀イギリスの物理学者・小説家チャールズ・パーシー・スノーが―― 1959年に発表した自著の中…

「散逸構造」の知名度が低い理由

自然界のエネルギーは、ただ流れるということは決してなく―― 必ず、散り乱れて流れるのだ、ということを―― 3日前の『道草日記』で述べました。 一般に“熱力学の第二法則”として知られている原理です。 ――エントロピー増大の原理 ともいわれます。 ここでい…

無生物から生物への“架け橋”

生物と無生物との境界線を引くのは困難であることを―― きのうの『道草日記』で述べました。 それは、現代科学の限界といえます。 少なくとも―― 20世紀ベルギーの理論化学者・物理学者イリヤ・プリゴジンが提唱した、 ――散逸構造 の概念を踏まえる限りは―― あ…

生物と無生物との境界線が引ける時

――生物は散逸構造の一つである。 と、きのうの『道草日記』で述べました。 「散逸構造」とは―― 自然界をエネルギーが散り乱れながら流れる時に―― その流れるところの環境や事象に対応して生じる特定の構造を指します。 この構造は、少なくとも見かけ上は、物…

生物が散逸構造の一つなら

――原始生物は、エネルギーの流れが吹きぬいているところで誕生したのではないか。 との推論を―― きのうの『道草日記』で述べました。 ――エネルギーの流れの勢いが、原始生物の誕生にとって激しすぎず、かつ穏やかすぎないところで、原始生物は誕生したのでは…

原始生物の誕生の秘密

“生物の定義”を、 ――エネルギーの流れに吹き抜かれているもの とは記述できない理由を―― きのうの『道草日記』で述べました。 自然界には、エネルギーの流れに吹き抜かれていながらも、僕らの素朴の感覚では「生物」と呼びえないものが――例えば、渦潮や台風…

“生物の定義”としたくなる

――人体はエネルギーの流れに吹き抜かれて生きている。 と―― おとといから、この『道草日記』で繰り返し述べてきましたが―― エネルギーの流れに吹き抜かれて生きているのは―― もちろん、人体だけではありません。 あらゆる生物種の個体が、そのように生きてい…

エネルギーの流れに吹き抜かれて生きている

――人体はエネルギーの流れに吹き抜かれて生きている。 と―― きのうの『道草日記』で述べましたが―― 実は―― この記述は、ちょっと不十分です。 「エネルギー」という概念を断りなく用いているからです。 …… …… ――エネルギー とは何か―― その答えは簡単ではあ…

人体が物質の塊に見えるのは

――人体は物質の塊である。 とする考え方があります。 一理あります。 ――人体は細胞から成っていて、細胞は物質から成っているので、人体は物質の塊である。 と考えることは、たしかにできます。 が―― この考え方では、人体の本質を掴めません。 人体が物質の…

やることなすこと、すべてが巧くいってしまうと

やることなすこと、すべてが巧くいってしまうと―― 人は―― やらなくてよいことや、やってはいけないことにまで―― つい手を出してしまうのですね。 そして―― ときに大きな損害を――再起不能の損害を――被ってしまう―― …… …… 仕方のないことです。 すべてが巧くい…

良い噂も悪い噂も忘れられるか

人の話を聴くのに慣れていない人は―― その人の良い噂や悪い噂を事前に十分に調べ上げ、図らずも偏見や先入観を持った上で―― その人の話を聴きます。 人の話を聴くのに慣れている人は―― その人の良い噂や悪い噂を事前に十分に調べ上げたりせず、偏見や先入観…

成功や失敗に気づかない

失敗しないように、失敗しないように―― そればかり気にしているから―― 失敗してしまうのだ―― そんなことでは―― たとえ大いに成功しても―― 成功したことに気づかない―― そうではなくて―― …… …… 成功しよう、成功しよう―― そればかり気にしていればよい―― そう…

水平関係と垂直関係とは両立しない

友人同士の関係や同僚同士の関係などを、 ――水平関係 と呼び―― 先輩・後輩の関係や上司・部下の関係などを、 ――垂直関係 と呼びますと―― この2種類の人間関係は―― なぜか両立しないのですよね。 水平関係なら、垂直関係ではありえず―― 垂直関係なら、水平関…

報道機関に求められる信念

報道機関が国家政府と癒着し、国家政府を牽制しようとしなくなれば―― その国家に所属する国民は、大変な危険にさらされる―― ということは―― 歴史が教えるところです。 よって―― 報道機関は、自分たちの職業倫理に基づき―― たとえ国家政府の嫌がることであっ…

不可解なニュースには必ず裏がある

――不可解なニュースには必ず裏がある。 と思って―― ほぼ間違いないでしょう。 ここでいう「裏」とは、 ――まだ公にされていない重大な情報がある。 ということです。 その「重大な情報」を知っている者にとっては―― その「不可解なニュース」は、まったく不可…

山の日が8月11日である理由に納得

おととい8月11日は、 山の日 でしたね。 今年から“国民の祝日”となっています。 祝日が増えるのは、ほとんどの人たちにとって、ありがたいことでしょうから―― けっこうなことだと思っておりますが―― 一つだけ気になることがありました。 それは、 (なぜ、…

子を思う親の気持ちは

子を思う親の気持ちは―― 基本的には―― 子の思いとは何ら関係がなく―― また―― 関係があると子が錯覚をしてもいけない―― と思っています。 このことを前提とした上で―― もし―― 子が、いつか親の思いに共感を覚え、謝意を示すようになるのなら―― それは、もちろ…

恋愛の歌として知られていても

一般には、恋愛の歌として知られていても―― 実際に歌われているのは―― 親を求める子の気持ちであったり―― 子を愛しむ親の気持ちであったりする―― ということは―― (たぶん、そんなに珍しくはない) と考えています。 恋愛の歌と思って聴いていると、 ――なん…

人が味わえる最高の幸せ

人が味わえる最高の幸せは、 ――ああ、暇だ。何もやることがない。 と呟くことです。 今、何もしていないのに―― あるいは―― これから何かしなくても―― とくに困らない―― 飢餓感や恐怖心に苛まれることもなく―― しばらくは満足かつ安心に過ごせそうである―― そ…

天皇陛下が生前退位のご意向を示唆

天皇陛下が生前退位のご意向を示唆されましたね。 きのうの午後に公開されたビデオ・メッセージのことです。 僕は、その映像を見ておりませんが―― メッセージの全文は読みました。 お気持ちの溢れるメッセージであったと感じます。 このメッセージに心を動か…

スポーツをみる苦しみ

スポーツは―― やるのとみるのとでは大違いですよね。 スポーツをやる楽しみがあれば―― スポーツをみる楽しみもある―― スポーツをやる苦しみがあれば―― スポーツをみる苦しみもある―― その楽しみや苦しみの本態は、四者四様といってよいでしょう。 スポーツと…

「策士、策に溺れる」や「木を見て森を見ず」を防ぐには

人は―― いま自分が手にしている安心や幸福を―― つい忘れがちです。 その代わり―― いま自分を苛んでいる不安や不幸ばかりを―― 気にかけてしまう―― そして―― その不安や不幸を強引に掻(か)き消そうとして―― いま自分が手にしている安心や幸福を―― それと気づ…

自分で自分のことがわからなくなってしまっている人と

――自分で自分のことがわからなくなってしまっている人と、いかに向き合っていくのがよいのか。 という問いは―― 人が、人の世を生きていく上で―― もっとも難しい問題かもしれません。 もちろん―― あきらかに「自分で自分のことがわからなくなってしまっている…

開放系の思考、閉鎖系の思考

思考には、 “開放系の思考” と、 “閉鎖系の思考” とがあるように思います。 “開放系の思考”が生み出す思想は、すぐさま多くの人々に理解され、共感される反面―― 短期間のうちに飽きられ、忘れ去られます。 一方―― “閉鎖系の思考”が生み出す思想は、限られた…

「なぜ?」と問えないこともある

世の中のあらゆることについて、 ――なぜ? と問うことができると思っていそうな人を――あるいは、そのように実際に思っている人を―― ときに見かけます。 誤解をしてはいけません。 「なぜ」と問えるのは―― 人間の発言や行動についてだけです。 人間の発言や行…

「大切なのは知識ではない。思考である」の覚悟

知識に依存しすぎると、思考を停止させてしまう―― という話を、ときどき見聞きします。 一般に、「知識」とは―― 先人たちの思考の結論であることが、ほとんどです。 よって―― 知識に依存しすぎて、その自覚が曖昧になっていると―― 先人たちの思考の結論を、…

独自性の富んだことを伝えるには

話したくないことを話し始めたり―― 書きたくないことを書き始めたりすると―― その後が大変です。 話したくないことですから、なかなか話す気になれず―― 書きたくないことですから、なかなか書く気になれない―― それでも―― とにかく最後まで頑張って話そうと…