マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

原始生物の誕生の秘密

 “生物の定義”を、

 ――エネルギーの流れに吹き抜かれているもの

 とは記述できない理由を――
 きのうの『道草日記』で述べました。

 自然界には、エネルギーの流れに吹き抜かれていながらも、僕らの素朴の感覚では「生物」と呼びえないものが――例えば、渦潮や台風などが――少なからず存在するから――
 という理由です。

 簡単にいってしまうと、

 ――エネルギーの流れに吹き抜かれている

 では、“生物の定義”として緩すぎるのですね。

 とはいえ――
 あらゆる生物種の個体がエネルギーの流れに吹き抜かれていることは事実です。

 よって――
 生物は、その誕生以来ずっとエネルギーの流れに吹き抜かれてきた――
 と考えて間違いはないでしょう。

 このことは――
 生物の誕生の秘密に手がかりを与えます。

 すなわち――
 原始生物は、エネルギーの流れが吹き抜いているところで誕生したのではないか――
 という推測です。

 興味深いことに――
 自然界では、エネルギーの流れは、ありふれた現象です。

 むしろ、エネルギーの流れを何一つ見出せない状況のほうが、自然界では稀なのですね。

 もし――
 エネルギーの流れが吹き抜いているところで原始生物が誕生し――
 しかも、そうしたエネルギーの流れが自然界にはありふれているのならば――

 次のようなことがいえます。

 すなわち――

 実は――
 自然界では――
 こうしている今も――
 原始生物の亜型が、あちこちで頻繁に誕生しているのかもしれない――

 ただ――
 それら原始生物の亜型は、生物として永続的に存在できるようになる前に――
 生物としての構造を失ってしまっている――

 と――

 ……

 ……

 では――

 なぜ原始生物だけが――
 原始生物の亜型とは違って――
 今なお生物としての構造を保っているのか――

 ……

 ……

 最も単純な推測は――
 原始生物を誕生させたエネルギーの流れが、他の多くのエネルギーの流れとは違って――
 何か特別なエネルギーの流れであった――
 というものです。

 何が違ったのか――

 おそらく、

 ――エネルギーの流れの勢い

 です。

 それは――
 原始生物の誕生に最適で固有の勢いであったと推測されます。

 すなわち――
 その勢いには、それ以後の地球上では発生しえなかった激しさがあり――
 かつ、それ以前の地球上では発生しえなかった穏やかさがあった、と――

 前提となる仮定は――
 太陽系に地球が形成されて以降、地球上で発生するエネルギーの流れの勢いは、概して、少しずつ弱まっている――
 というものです。