マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

暖冬、不吉な予感

仙台の今年の冬は、雪がない。 だから、皆で、 ――良かった、良かった。 と笑みをコボしあうのだが―― ここにきて、そうもいっていられなくなった。 暖冬の傾向のハッキリしてきたことが、気がかりである。 雪はイヤだが―― 寒くならぬのも、またイヤなのである…

学から芸へ

ここ5年で、僕の興味は激変した。 興味というのは、知的好奇心の性情である。 もっといえば―― 知的好奇心の向かう先である。 激変の中身を、一言でいえば、 ――学から芸へ となる。「学」とは何か、「芸」とは何か―― 今さら詳述する気は起こらぬ。 これまでの…

自分の値打ち

――はい、あなたは328万円ですよ。 とか、 ――う~ん、あなたは850万円ではないでしょう。 とかいわれれば、腹が立つ。 腹は立つが―― 人の世というものは―― こういう値打ちが、幅をきかせるところである。 例えば、 ――年収 という形で、呆れるほど簡単に、自分…

科学の世界では、よくあること

今日、道を歩いていたら―― 1年くらい前に読んだ科学書のことを思い出した。 ある生物学者が書いた本である。 なぜ思い出したのかは、わからぬ。 道を歩いていたら、急に、(あ! あの本のあそこに書いてあったことは間違っている!) という感じで、思い出し…

食べすぎは

一般に―― 健康には1日3食が良いとされる。 が、今日、書店を覗いていたら―― 1日2食のほうが良いとする書籍があった。 これでは、人々は迷ってしまうかもしれぬ。 一般に、1日2食より1日3食のほうが良いとされる理由は―― 2食だと、つい食べすぎてしまうからで…

他人の話は最後まで

大勢の人たちが集まってワイワイガヤガヤと議論を闘わせているときに―― まれに、妙に説得力のある人がいる。 他の人たち同じように議論に加わっているのに―― なぜか、その人だけが、他の人たちとは微妙に異なる雰囲気をもっているように感じられるのだ。(な…

言葉には流行がある

言葉には流行(はやり)がある。 ――何を当たり前のことを―― と思われる向きもあろうが―― 僕がいいたいのは―― 自分が好んで使う言葉には流行がある、ということだ。 極めて私的な意味での流行だ。よって、本来なら「流行」という言葉は適当ではないが、他に思…

あと20~30年もしたら

今日、見知らぬ男の子に、「オジちゃん」 と呼びかけられた。たぶん、3、4歳の子である。(ついに、この日が来たか――) と思った。 別に、おかしくはない。 僕には甥がいる。 その甥も、そろそろ小学生になる。 むしろ、今日まで「オジちゃん」と呼ばれなか…

秀才肌、天才肌

僕は、しばしば、 ――秀才肌 と、 ――天才肌 とを列挙する。 この世に生きる人々の全ては、どちらか一方に分類できると考えるからだ。 昨日の『道草日記』で、あのようなことを書いたのも―― そうした人間観に基づいている。 もちろん―― この世に生きる人々のほ…

仕事の選択、仕事の遂行

世の秀才肌の人々は、しばしば、 ――何をするかではない! いかにするかだ! という。 つまり―― 仕事の選択に拘泥してはならぬ―― 所与の仕事の遂行にこそ、邁進するべきだ―― という意味である。 当然―― もし、天才肌の人々が、似たようなことを訴えるとしたら…

買い物はストレス発散にいいか

――買い物はストレス発散にいい。 という言葉をきくたびに、首を傾げていた。(なんで、いいんだ?) と―― 学生の頃は、本当に全くわからなかった。 世迷い言としか思えなかった。 何となくわかってきたのは―― 大学を卒業し、自分の稼ぐカネで暮らすようにな…

論理

昨夜は眠っていない。 たぶん、2時間くらいしか眠っていない。 こういう日に限って―― 朝から夜まで、外で仕事があったりする。 お昼過ぎが難関だと思っていた。 ここでコックリコックリきてしまうと、午後の仕事に悪影響が出る。 ところが―― 今日は、お昼過…

「塾の禁止」を喚くなら

予備校生だった頃―― ある先生が、いった。 ――「こんなことを訊いたらバカにされるんじゃないか?」などとは思わないことだ。たいていの質問は、他の人にとっては、バカにしたくなる質問だ。 と―― もちろん、人を唸(うな)らせる質問もないではないが―― そん…

好み

好みというのは何ごとも―― 歳をとっていくごとに、許容範囲が狭まっていくようだ。 が、それと相反するように―― 自分の好みと合致せぬものへの寛容の精神も、育まれていく。 だから、とくに問題は起こらぬ。 人は、そうやって歳をとっていくもの――らしい。 …

ケイさんのこと、もしくは呉京燮さんのこと

英会話学校に通い始めて5年になる。 通い始めたのは、大学院生のときだった。 国際学会での発表に備えてのことだ。 今は文筆に転向したので、その必要はなくなった。 コマ数を最低限に減らし、 ――単に英語でダベるだけの時間 と割り切っている。 去年から―― …

500年前、500年後

レオナルド・ダ・ビンチは15世紀の人だ。 学問・芸術を問わず、種々の分野で、天才的な人であったという。 例えば、飛行機のアイディアも持っていたそうだ。 実際に、それらしき機械を試作したらしい。 ただし―― 動力が足りず、飛行は実現しなかった。 僕が…

自分の欠点

欠点のない人間はいない。 どんな人格者も欠点をもっている。 人格者は、欠点を隠すのが巧いだけなのかもしれぬ。 どんな人間にも欠点があるので―― 例えば、物語に登場する人物に欠点がなかったりすると、興ざめをする。 リアリティがなくなるからというより…

生物学嫌いの呪縛

大学時代に医学を学んだ者は、しばしば、 ――医学生物学 なる表現を用いる。 僕も、その口だ。 大学時代は医学を専攻した。「医学生物学」という表現は、どことなく気持ちが悪い。 ――医学は、生物学とは根本的に異なる。 と思うからである。 根本的に異なるも…

創作ノートを読み返す

ときどき―― 昔の創作ノートを読み返すことがある。「創作ノート」というのは、小説のメモ書きのことだ。 ファイルのルーズリーフに、物語の舞台設定や、導入部分のエピソードや、各キャラクターの概略などが、鉛筆で書き込んである。 こうした創作ノートを、…

リアリティの加減

物語に必要なものは、適度なリアリティである。 リアリティとは、 ――もっともらしさ くらいの意味だ。「適度」というのが難しい。 あまりにもリアリティを帯びすぎると、安っぽくなる。 かといって―― まったくリアリティがなければ、誰の共感も得られぬ。 ち…

削って生まれる洗練美

削って生まれる洗練美というものがある。 ある物事から、余計な装飾をドンドン削っていって、最後に美だけを残す。 こうした考え方は、世界的には一般性がなく、例えば西欧人には容易に理解されぬのだという。 もちろん、ただ削ればいいというものではない。…

『千の風になって』が流れてきた

夕方、街中を歩いていたら―― 秋川雅史さんの『千の風になって』が流れてきた。 CDショップが街頭に向かって流していた。『千の風になって』は、作家の新井満さんが訳詞・作曲された唄で、原詞は作者不詳の英詞だそうである。 昨年のNHK紅白歌合戦で演奏され…

昨日の『道草随想』に

昨日の『道草随想』に補足を付けました。 途中、計算やら考察やらを、だいぶ省いていたので――(書いておいたほうがいいかな……) と思うものを全て書いてみたら、本編よりも長くなった感じです。 個人的な備忘録の意味合いも込めて、全てを掲載しておきます。…

ラマヌジャンの解法/道草随想

今年最初の『道草随想』は、 ――ラマヌジャンの解法 です。 リンク「道草随想のページ」より御覧になれます。 * ラマヌジャンは数学者の名前です。 そうです。 今回も数学のお話です。 最近の『道草随想』は、数学随想になっていますね。 *『道草日記』に書…

中庸

昨日の『道草日記』に書いたように、 ――明日こそはコーン・ポタージュを飲んでやる。 と昨日、誓ったので―― 今日は、仙台郊外のレストランまで、車で出かけてきた。 心おきなく、コーン・ポタージュを飲んできた。 ちょっと飲み過ぎた。 どうも、いけない。 …

コーン・ポタージュ

出先のネット・カフェでメールをチェックしていたら―― 急に、コーン・ポタージュが、無性に飲みたくなった。(さて、どこで飲もうか) と、思案にくれたが―― 近場に適当なレストランなどが思い浮かばぬ。 以前なら、自宅の近くにコーン・ポタージュの飲める…

理屈の域も越えている

何とも痛ましい事件だ。 21歳の兄が20歳の妹を殺害した。 兄は予備校生で、いわゆる3浪生――今年、4回目の歯学部受験に挑戦する予定だった。 妹は短大生で、芸能事務所に所属――女優になる夢を追いかけていた。 妹は、兄をさし、 ――夢がない。 と詰ったらしい…

最近、酒を飲むと

最近、酒を飲むと、腹を壊す。 必ずといってよいほど、腹を壊す。 どうしたことか。 こんなことでは、おちおち酒も飲めぬ。 そういえば―― 亡くなった父は、しばしば、 ――酒を飲むと下痢をする。 と、いっていた。 どうやら、腸にアルコールを入れる度に具合…

社会的意味付け

人生の過ごし方を大きく2つにわけるとしたら―― ――社会的意味付けを重視するか軽視するか。 ではなかろうか。 社会的意味付けとは―― 簡単にいえば―― 社会的地位、および、それがもたらす富や権力の獲得ないし保持である。 社会的意味付けを重視する者と軽視す…

物語を紡いでいたい

そろそろ―― 小説に割く時間を増やしたいと思っている。 一度は科学者を志し、結局、文筆に転向したのは―― 小説を書くためであった。 小説を書くといっても、僕の場合、小説を書くこと自体には、それほど、こだわりはない。 物語を紡いでいたいのである。 自…