最近、酒を飲むと、腹を壊す。
必ずといってよいほど、腹を壊す。
どうしたことか。
こんなことでは、おちおち酒も飲めぬ。
そういえば――
亡くなった父は、しばしば、
――酒を飲むと下痢をする。
と、いっていた。
どうやら、腸にアルコールを入れる度に具合が悪くなっていたらしい。
だから、父は、あまり酒を好まなかった。
酒を介した交友関係は、皆無だったようである。
息子には、酒を飲んで腹を壊すという傾向は、ほとんどなかったのだが――
ここ1、2年で、少し顕著になりだした。
父の体質を受け継いだのかもしれぬ。
もっとも――
僕の場合は、アルコールが直に悪さをしているかどうかは、微妙だ。
酒の席の僕には、目の前のものを、よくみもせずに、つまむ癖がある。
あんまりキレイとは思えぬ生野菜なども、平気でつまむ。
そうした癖は、年々、頑固になりつつある。
これが原因かもしれぬ。
それで思いだした。
20代前半の僕は、酒の席に赴く前に、必ず間食で腹を満たしていた。
そうすれば酔いが回りにくくなると、きいたためだが――
案外、これが、つまみをストップさせていたのかもしれぬ。
腹が満たされていれば――
あまりキレイとは思えぬ生野菜などを、つまむ必要はない。
が――
今、これをやろうとしても――
たぶん食べすぎになるだけだな。