マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

本能寺の変――日本史上、最も有名な変

――変 と、 ――乱 との違いについて述べています。 ――日本史上、最も有名な変は? と問われれば―― 多くの人が、迷わず、 ――本能寺の変 と答えるでしょう。 先ごろ放映をされたNHKの大河ドラマでも描かれていたそうですから―― この時期に、 ――変 や、 ――乱 につ…

嘉吉の変を「変」とみなすのがよい理由

室町期に起こった嘉吉(かきつ)の変が、しばしば、 ――嘉吉の乱 と呼ばれる理由について―― きのうの『道草日記』で述べました。 簡単に述べ直すと―― 将軍・足利義教(よしのり)が、京にあった赤松満祐(みつすけ)らの屋敷で騙し討ちにされたところまでは、…

「嘉吉の乱」の「乱」たる理由

室町期に起こった嘉吉(かきつ)の変は、むしろ、 ――嘉吉の乱 と呼ばれることのほうが多い―― ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 将軍・足利義教(よしのり)が守護大名・赤松満祐(みつすけ)の屋敷で騙し討ちに遭った事件です。 閉鎖性の高…

嘉吉の変が「嘉吉の乱」とも呼ばれる理由

――「変」か「乱」かの違いは、政権をめぐる争いの閉鎖性ないし開放性に依っている。 ということを述べています。 きょうは、 ――嘉吉(かきつ)の変 について述べましょう。 ――嘉吉の変 は、室町期に起こりました。 ときの幕府の将軍・足利義教(よしのり)が…

乙巳の変が「乙巳の乱」と呼ばれない理由

――「変」か「乱」かの違いは、政権をめぐる争いの閉鎖性ないし開放性に依っている。 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 このことを、 ――乙巳(いっし)の変 を例にとって述べましょう。 ――乙巳の変 については、1月27日の『道草日記』で述べ…

変か乱か――開放性ないし閉鎖性の観点から――

――民主主義の社会では、“変”は“密議”のことであり、“乱”は“選挙”のことである。 ということを―― おとといの『道草日記』で述べました。 このことに着目をすると―― “変”と“乱”との分類については、 ――閉鎖性 ないし、 ――開放性 に依っていると考えることもで…

変と乱との分類に絡めないのがよい観点

――争いの規模が大きければ「乱」であり、小さければ「変」である。 ということを―― 5日前の『道草日記』で述べました。 この命題は―― わりと重要そうな別の主張を暗に示しています。 それは、 ――その争いが“変”か“乱”かということと、その“争いの帰結”がどう…

変か乱か――人の世の流れの観点から――

――「変」と「乱」との違い について考えています。 権威主義の社会では、 ――変 のほうが、 ――乱 よりも好まれ―― 民主主義の社会では、 ――変 よりも、 ――乱 のほうが好まれる―― と述べました。 民主主義の社会では、 ――変 は、 ――密議 あるいは、 ――密室裁定 …

民主主義の社会における「変」と「乱」――

日本史の愛好家たちの間で、しばしば議論の対象となる、 ――「変」と「乱」との違い について―― 3日前の『道草日記』で、 ――争いの規模が大きければ「変」であり、小さければ「乱」である。 と述べました。 争いは、一般に、 ――小さければ小さいほどによい。 …

変を「乱」と呼ぶこともあった

――変を「乱」と呼ぶことはない。 ということを、きのうの『道草日記』で述べてから―― (あ、一つだけあった!) と思い当たりました。 江戸前期に起きた、 ――由井(ゆい)正雪(しょうせつ)の乱 です。 ――由井正雪の乱 は、軍(ぐん)学者・由井正雪が徳川…

変を「乱」と呼ぶことはない

――あきらかに乱であっても、あえて「変」と呼ぶ。 ということが、ときにあったようである―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 面白いのは、 ――あきらかに変であっても、あえて「乱」と呼ぶ。 ということは、おそらくは、 (一例もない) …

乱であっても「変」と呼ぶ

――変 と、 ――乱 とについて―― きのうの『道草日記』で述べました。 ――変 と、 ――乱 との違いについては―― きのうの『道草日記』でも触れた通り、しばしば日本史の愛好家たちの間で議論の対象となるのですが―― 僕個人は―― そうした議論に特に関心をもってはき…

変と乱と

フランス語の「coup d'État」を日本語で表すと、 ――変 ではないか―― ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 もちろん、 ――変 の一字だと、「奇妙な」という意味の「変」と紛らわしくなりますから―― 例えば、 ――事変 とか、 ――政変 とかというふ…

日本語の「クーデター」を考える

日本語の「クーデター」という言葉について―― ちょっと考えてみたくなりました。 以下に―― 僕の考えを記します。 ――クーデター という日本語は、「coup d'État」というフランス語に由来をしています。 しばしば、「coup d'État」の直訳として、 ――国家への一…

ミャンマーの全土で内戦が激化していかないか

ミャンマーのクーデターのことは―― 背景があまりにも複雑かつ深刻な社会的危機なので―― これ以上『道草日記』で触れても、得るものは少なそうだと感じています。 きのう―― 福島沖の地震に触れたことで―― 社会的危機の考察の“合わせ鏡”の側面に改めて気づかさ…

クーデターのような社会的危機で気をつけたいこと

大きな地震の揺れを感じました。 2011年3月11日の東日本大震災を思い出しました。 幸い僕のプライベートの近辺では被害は出ていません。 が―― 揺れが強く、長かったので―― どこかで深刻な被害が出ている可能性は低くないと感じます。 この懸念が、 (的外れ…

ミャンマーのクーデターの背景には個人的な確執があったらしい

クーデターが起こったミャンマーの情勢は、日を追うごとに混迷を深めていきますね。 とくにミャンマーの人々は、国内にいる人も国外にいる人も、ほぼ一様に怒っているようです。 国軍の総司令官であるミンアウンフラインさんが、 ――今回の国軍による政権の樹…

ミャンマーのクーデター:状況を知れば知るほどに「難しい――」

ミャンマーで国軍がクーデターを起こした問題は―― 状況を知れば知るほどに、 (難しい――) と感じます。 クーデターを起こした国軍の総司令官はミンアウンフラインさんという人で―― 昨今のミャンマーの情勢に関心をもっていた外国人の間では、どちらかという…

ミャンマー国軍の本音は?

――ミャンマー国軍がクーデターを起こしたのは、既得権益を守るためではなく、内戦を終わらせるためではないか。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 ――内戦 というのは―― ミャンマー国内の一部で繰り広げられている武力紛争のことです。 日…

ミャンマー国軍は既得権益を守るためにクーデターを起こしたのか

ミャンマーで国軍が先週に起こしたクーデターは失敗に終わる可能性が出てきたものの―― 今後、国軍の組織内部からの支持が集まり続けるかどうか――崩れ去らないかどうか――がポイントになる―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 実は―― そもそ…

クーデターが失敗に終わる可能性も出てきた

ミャンマーで国軍がクーデターが起こしてから―― きょうで1週間です。 報道によると―― 今のところ―― 国軍への支持は広がっていません。 諸外国は、少なくとも表立っては、国軍の政権から距離をとっているようです。 国民の反発は明らかです。 首都ネピドーで…

国軍が政府を創ること自体は邪道ではないが……

――国軍が政府を創る場合 のほうが、 ――政府が国軍を創る場合 よりも圧倒的に多い―― ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 国軍が政府を創る場合について―― さらに何通りかに場合分けをすると―― 以下のようになります。 1)国内外の私兵が武力…

国軍が政府を創る場合と政府が国軍を創る場合と

――国軍が政府を創る場合 について、きのうの『道草日記』で述べました。 もし、国軍が政府を創るのでなければ―― 政府が国軍を創ることになります。 少なくとも―― 理屈の上では、そうですね。 政府を創らない国軍は、私兵――単なる武装勢力――ですし―― 国軍を創…

国軍が政府を創る場合

――現在のミャンマー政府は、ミャンマー国軍によって創られた。 ということを、おとといの『道草日記』で述べました。 ――政府が国軍を創ったのではなく、その逆であった。 と―― …… …… 国軍が政府を創る場合―― 国軍の最高司令官が政権の首班となるのが普通です…

ミャンマー国軍のクーデターは「わかりにくい」

――ミャンマーで2月1日に起こったクーデターは、さながら戦国大名のような軍閥の首領が、現代的な民主政治の指導者らを、武器の威力で屈服させた――というのが、実態ではなかったか。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 よって―― ミャンマー…

ミャンマー国軍は「国軍」ではなく「軍閥」ではないか

――ミャンマーでクーデターが起こったらしい。 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 どうやら、 ――起こったらしい ではなく、 ――起こった といってよいようですね。 いわゆる、 ――国軍 がクーデターを起こし―― 政権の首班を含む政府の高官や国…

明治維新も大化の改新もクーデターで始まっている、と述べていたら……

――明治維新も大化の改新もクーデターで始まっている。 ということを、最近の『道草日記』で述べていたら―― きのう―― 実際にミャンマーでクーデターが起こったようです。 …… …… ――クーデターは、起こるのと起こらないのと、どちらがよいか。 と訊かれれば―― …

明治政府の首脳部は大化の改新のことをよくわかっていなかった

――大化の改新で有名な中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)の優れていた点は“クーデターを起こした者の責任感”であり、その“責任感”は明治政府の首脳部の誰もが希薄であった。 ということを、4日前の『道草日記』で述べました。 明治政府の首脳部は、なぜ中大…