マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

人災でなくてよかった

東日本大震災のときに―― 人々の日々の暮らしが根底から覆されるのを目の当たりにして―― はからずも思ったことがあります。 (これが人災でなくてよかった) …… …… あのときは―― あきらかに、 ――天災 とわかる災禍であったので―― ギリギリのところで―― 何とな…

『ホテル・カリフォルニア』のこと

――ホテル・カリフォルニア といえば―― アメリカのロック・バンドであるイーグルスの代表曲です。 1976年に発表され、世界的なヒット・ナンバーになったそうです。 たしかに世界的なヒット・ナンバーで―― その発表の10年後くらいには―― 僕は―― 自分が通ってい…

「学歴は必要か」の答え

――学歴は必要か。 と問われて―― もっとも無難な答えを返すとしたら、 ――必要である。ただし、それだけで十分というわけではない。 でしょう。 真に必要なのは―― 学歴そのものではなく―― 学歴を取得するまでの経験であり―― その経験から得られた洞察や達観の…

「勉強は暗記ではない」と主張するなら

――勉強は暗記ではない。 とは―― しばしば、いわれることです。 ――思考力の錬成こそが勉強である。 と―― が―― …… …… 思考という営みは―― 少なくとも外形的には―― 文章作成や口頭発表あるいは対話や討論の形式をとるしかありません。 よって、 ――思考力の錬成…

「議論が噛み合わない」と感じるときは

議論が噛み合わないのは―― たいてい―― その議論に参加している各々の前提が―― それぞれ違っているからです。、 ――ならば、議論を噛み合わせるために、前提を共有すればよい。 という話になりますが―― その議論に参加している各々が―― 自分の抱える前提を一つ…

結婚生活のコスト? パフォーマンス?

――結婚生活はコスト・パフォーマンスが悪い。 といった主張を―― しばしば見聞きします。 が―― この主張―― 僕は、 (何一つ主張していないに等しいのではないか) と感じます。 なぜならば―― 結婚生活のようなことは―― コストもパフォーマンスも客観的に記述…

プロたちの暗黙の了解

――プロは制限時間20%で完成度80%までもっていく。 といったことを―― 先月29日の『道草日記』で述べました。 また、 ――アマチュアは制限時間を使い切っても完成度80%未満である。 とも―― …… …… 以上のことは―― 要するに―― 何ごとも、 ――「完成度80%」がプ…

“「ブサイク顔」→「美人顔」”のわけ

子どもの頃は、 ――あか抜けないブサイク顔 であったのに―― 大人になった今、 ――すっかり洗練された美人顔 になった―― という女性の話を―― ときどき耳にします。 (そんなことがあるものなのか) と思って―― 残された写真などで―― 可能な限り―― その女性の子…

「学ぶだけで考えない」と「考えるだけで学ばない」と

――学ぶだけで考えない。 と、 ――考えるだけで学ばない。 と―― どちらが―― より有害でしょうか。 皆さんは、いかが思われますか。 …… …… 念頭にあるのは、『論語』の一節、 ――学びて思わざれば則(すなわ)ち罔(くら)し、思いて学ばざれば則ち殆(あやう)…

Professional

――プロフェッショナル と日本語でいわれると―― ときに強い違和感を覚えてしまうのは―― きのうの『道草日記』で述べた通りですが―― 不思議なことに、 ――professional と英語でいわれると―― (まあ、そうか) と納得できることがあります。 もちろん―― 日本語…

プロフェッショナル

――プロフェッショナル というと―― 何だか格別に高邁で崇高な条件のように解釈されることがあります。 そんな、いわば、 “プロフェッショナルのインフレーション” に―― 僕は、なかなかなじめません。 「プロフェッショナル」というのは、一部の傑出した職業人…

成就より〇〇を好むなら「創業は難く、守成は易し」

――成就の喜びとは別に、改良の喜びというものがある。 と―― 僕は思っています。 何事かを成し遂げる喜びというのは、もちろんあるのですが―― 物事に一つひとつ修正を加え、よりよい状態に変えていく喜び―― というのも、あるのではないか、と―― …… …… ――創業…

北条氏のこと(8)

鎌倉期の北条氏のことを―― 思いつくままに書き連ねていたら―― いつのまにか―― タイトルが、 北条氏のこと(8) になっていました。 (8) というのは―― いくら何でも多すぎですね。 そろそろ、やめようと思いますが……(苦笑 …… …… 日本史における鎌倉期の…

北条氏のこと(7)

鎌倉幕府3代執権・北条泰時は、実は源頼朝の落胤かもしれない、という話を―― きのうの『道草日記』で紹介しました。 もし、そうだとしたら―― いくつかの疑問が腑に落ちるのですね。 1つは―― なぜ北条氏の事実上の簒奪を鎌倉幕府の武家らは許せたのか―― と…

北条氏のこと(6)

鎌倉期の北条氏は―― 日本史ファンのなかで、概して不評であろうと思います。 ――源氏の開いた幕府を乗っとった。 という意味での不評です。 たしかに―― 鎌倉幕府は北条氏に乗っとられたようなところがあるのですが―― でも―― その北条氏が、源氏に乗っとられて…

北条氏のこと(5)

歴史の教科書に誰を載せるかで―― 議論が巻き起こっています。 たとえ歴史上、有名な人物でも、その歴史的意義を語りにくい場合には、歴史の教科書に載せるべきではない―― という考え方があります。 こうした観点でみるときに―― 鎌倉期の北条氏のなかで、歴史…

北条氏のこと(4)

鎌倉幕府の執権を世襲した北条氏は―― 初代・時政から、2代・義時を経て、3代・泰時までは長命であったにもかかわらず―― なぜ4代目以降は短命であったのか―― この問いは―― きのうの『道草日記』でも述べたように―― 近親結婚説や平均寿命説では、すんなりと…

北条氏のこと(3)

鎌倉期の北条氏については―― きのうの『道草日記』でも触れた“劇的な滅亡”の顛末もさることながら―― もう一つ特筆すべき点があります。 それは―― 本家の当主や跡継ぎが20代~30代での若死にを繰り返した―― という点です。 初代執権の北条時政や2代執権の北…

北条氏のこと(2)

鎌倉幕府2代執権・北条義時は―― 承久の乱を機に、自らの代で日本列島のほぼ全域を支配下に収めたにも関わらず―― 例えば、平清盛や源頼朝、あるいは足利尊氏や豊臣秀吉、徳川家康といった歴史上の人物と比べ、軽視されがちである―― ということを―― きのうの…

北条氏のこと(1)

――日本で武家として最初に全国を実質的に統治したのは、鎌倉幕府の北条氏である。 との考え方を―― きのうの『道草日記』で紹介しました。 根拠は―― きのうも述べた通り―― 承久の乱の前後の政権の変化です。 承久の乱までは、天皇家や公家によって主導されて…

承久の乱で「北条時代」

――日本の国のかたちは、承久の乱の前後で大きく変わった。 とする考えがあることを知り―― (たしかに、そうかも……) と深く感じ入りました。 承久の乱とは―― 鎌倉前期・承久3年(1221年)に、京の朝廷で隠然たる勢力を保っていた後鳥羽上皇が、鎌倉幕府の執…

民主主義の国の民は、専制主義の夢をみるか

――民主主義の国の民が、民主主義的な手続きに則って専制主義への移行を決定することはありうるか。 という問題意識を―― 10代の頃に知りました。 もちろん―― 論理上は、ありうるわけです。 国民が選挙で独裁者の専制を承認し、以後、二度と選挙を行わなければ…

リーダーとマネージャーとは違うけれど

――リーダーとマネージャーとは違う。 という主張を―― ときにみかけます。 たしかに、違いますね。 リーダーとは、 ――組織の役割を認定し、組織の目標を設定し、組織の構成員を鼓舞していく人 で―― マネージャーとは、 ――組織の構成員の一人ひとりが能力を十…

どこからが不倫で、どこまでが不倫でないのか

人の心に関心をもってから―― ずいぶん経ちます。 25年くらいでしょうか。 …… …… 人の心の問題の半分くらいは、 ――男女のこと ではないかと―― 思っています。 そして―― そのうちの半分くらいは、 ――不倫のこと ではないかと―― 思っています。 それくらい―― 不…

横に並列に展開か、縦に直列に展開か

いわゆる“語り方”には、 ――横に並列に展開していく語り方 と、 ――縦に直列に展開していく語り方 とがあると考えています。 横に並列に展開していくというのは、 ――Aは、Bとなったり、Cとなったり、Dとなったり、Eとなったりする。 ということです。 縦に直…

意見に誇りをもってはならない

――「自分こそ正しい」という考えが、あらゆる進歩の過程で最も頑強な障害となる。これほどバカげていて根拠のない考えはない。 という言葉は―― 19世紀アメリカの作家で詩人のジョサイア・ギルバート・ホーランド(Josiah Gilbert Holland)が残したとされま…

日本語の主語や目的語が明示できない?

――最近の中学生や高校生は、主語や目的語が明示できない。 と嘆いている人がいて―― (そりゃあ、日本語で生まれ育ってるんだもの……。英語の主語や目的語がわからなくたって、そんなに不思議はないでしょう) と思って―― その人の見解をよく確かめたところ―― …

学術みたいな歌謡

学問の世界では―― 当たり前のことを、 ――当たり前だ。 と断って強調し、確認することに―― 意義はあると思います。 が―― 芸術の世界では―― 当たり前のことを、 ――当たり前だ。 と断って強調するのは、ヤボの極みですし―― とくに断らずに、これみよがしに表現…

説得と説明とを取り違えると面倒

――教師の仕事の基本は、児童や生徒を説得し、納得させることだ。 という考え方があるそうです。 (いや、それ、おかしいだろ) と―― 即座に違和感を覚えました。 ――説得し、納得させる ではなく、 ――説明し、納得させる か、 ――説得し、了解させる かであろ…

失敗から学んだか否かの見分け方

――失敗は絶対にイヤだ。 といって―― 事なかれ主義に走るのは論外ですが、 ――失敗は成功のもと といって―― 全く平気で懲りないというのも―― 問題です。 たしかに、「失敗は成功のもと」ですが―― それは―― 失敗から何か新しいことを学ぶからこそであって―― 何…