――学歴は必要か。
と問われて――
もっとも無難な答えを返すとしたら、
――必要である。ただし、それだけで十分というわけではない。
でしょう。
真に必要なのは――
学歴そのものではなく――
学歴を取得するまでの経験であり――
その経験から得られた洞察や達観の中身、あるいは工夫や失敗の履歴です。
それらを備えているらしいことがすぐに示せるという意味で――
学歴は、とても便利な“宣伝文句”なのですが――
もちろん――
それらを全く備えていないのに、ただ学歴だけを取得してしまっているのであれば――
その学歴に大した意味がないのは、いうまでもありません。
そのような意味で、
――学歴だけでは十分でない。
というのは――
あきらかです。
が――
実際には――
世の中は、もっと峻厳です。
仮に――
学歴を取得するまでの経験が十分で――
その経験から得られた洞察や達観の中身に優れていて、工夫や失敗の履歴が豊富であったとしても――
残念ながら――
それだけでも十分とはいえないのですね。
本当の意味で立派な学歴を取得している人でも――
世の中で通用しない事例を、ときどきみかけます。
こと学歴に関する限り――
現実は思ったよりも過酷です。