マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

何ということのない会話を

何ということのない会話を交わすことで―― 心の和むことがあります。 その日、初めて出会った見知らぬ人と――この先、どこかで再会することは多分ないような見知らぬ人と―― ちょっとしたアクシデントの話をする――例えば、急に降り出してきた雨の話をする―― そ…

決して下り坂になることのない峠道

自分の意見を表明するよりも―― 他人の意見を理解するほうが、ずっと高度な知性を要求します。 他人の意見を理解するということは―― 他人の頭の中を理解して相手の心の内を洞察することです。 これが難しい―― 自分の意見を表明するには、自分の頭の中を理解し…

復旧と復興とは大して違わない

――復旧と復興とは違う。 といいますね。 東日本大震災に関連した文脈で、しばしば指摘されることです。 最初は僕も、(そうだ、そうだ! 復旧と復興は違う!) と思っていたのですが―― このフレーズを何度もきかされるうちに、(そんなには違わないはずだぞ……

「起こりえない」?

中国の高速鉄道の事故には唖然とさせられました。 落雷で止まっていた列車に、後続の列車が高速で突っ込むという―― 虚構の世界でもなかなか起こりそうにない事故です。 こういう事故をみていると、まだまだ中国は発展途上にあるといってよさそうですね――産業…

組織のトップはセンスを問われる

組織のトップはセンスを問われます。 問題を発見するセンスです。 組織の内外で、組織にとって解決すべき問題をスムーズに発見するセンス―― 問題を解決することがトップのセンスだと思っている人がいますが―― そうではありません。 トップのセンスは、問題の…

議論を挙げ足の取り合いにしないために

言葉は文脈によって正確な意味が定まります。 同じ言葉であっても、文脈が違えば、異なる意味を担います。 例えば、 ―ーたった26種類の文字の組み合せだけで単語が構成されているというのが、英語の基本だ。 という場合の「基本」と、 ―ー結論を先に示し、そ…

相手が自分のいうことを聞き入れないと感じたときに

相手が自分のいうことを聞き入れないと感じたときに―― 人は、そのときの対応の仕方によって、主に2つに分けられます。 一つは、ガァっと自分のいうべきことを主張し続ける―― もう一つは、ジィっと黙っていて、いうべきことすら全く主張しない―― 素の僕は、…

本当に大事なことというのは

本当に大事なことというのは―― 実は、誰もが、口にしたがらないのです。 口にしたがらないだけでなく―― 文字にもしたがらない―― とにかく、表に出そうとしたがらない―― ですから―― 表に出てくることについてしか、関心を示せない人は―― 本当に大事なことに、…

誰かの心を動かそうと思ったら

誰かの心を動かそうと思ったら―― その人の心が動きだそうとする瞬間を逃がさないことです。 どんな人にも、心の動きだしそうときはあります。 人生の転機、何か大きな事件の起こったあと、思いがけず琴線に触れたとき―― そういった瞬間をとらえて、その人の…

慶事と弔事とでは

慶事と弔事とでは、弔事を優先させることが礼儀だとみなされておりますが―― なかには、そうもいかない場合がありますね。 例えば―― 1年くらい前から結婚の媒酌を引き受けていたところに、長年の友人が披露宴の前日に病死した―― というような場合です。 まさ…

ときには鈍感に

人間関係を安定させるには相互の信頼が必須です。 相互に信頼しあうのに、留意点はいくらもありますが―― 結局は、一貫性が基盤となるでしょう。 要は、場当たり的でない言動のことです。 場当たり的でない言動とは―― 具体的には、どういうものか。 逆を考え…

利己的に振る舞うと

利己的に振る舞うと―― 振る舞ったあとで、やたらと気分が悪くなりませんか。 僕は、なります。 ありがたいことだと思っています。 なぜならば―― 次からは、利己的に振る舞わないように気をつけようとするからです。 が―― 本当に大切なのは、利己的に振る舞っ…

奇跡か悲願か

きのうの『道草日記』で、 ――奇跡 について、ちょっと考える気になったのは―― なでしこジャパンがワールド・カップで優勝したからです。「なでしこジャパン」というのは――今さら説明をしなくてもいいですよね――サッカー女子・日本代表チームの愛称です。 こ…

奇跡

ごく自然なことが起こっても―― その現象の背景がわかっていなかったら、 ――スゴい奇跡が起こった! とみなされやすいものです。 極端な話―― もし仮に四季の周期性を知らない人がいたら―― その人は、夏がすぎ、秋がすぎ、冬がすぎ、 ――この世の終わりだ。 な…

優雅さは非日常性に

――優雅な生活 などといいますが―― 本当に優雅な生活というのは、かなり不便だと思うのですよね。 優雅さというのは、非日常的な階層において初めて成立をする美的感覚だからです。 非日常なのですから、便利さとは根本的には無縁です。 例えば、優雅に設計さ…

本当は「重み」のある言葉なのに

もし、言葉に、 ――重み というものがあるのだとしたら―― それは、思考の深さや広さを反映したものです。 深く考え、広く考える―― その結果もたらされる結論や感慨に、人は初めて「言葉の重み」というものを感じます。 この「重み」は、その言葉を担う言語が…

人と人との関係は

人と人との関係は、「合う」とか「合わない」とかいうよりも―― ――「合わせる気になる」か「合わせる気にならない」か。 が本質でしょう。 つまり、 ――目の前の相手と関係を結ぶか結ばないかは選び取ることができても、関係を結ぶ相手を複数の候補の中から選…

ハンドルを握ると……

――ハンドルを握ると人が変わる。 などといいますね。 つまり―― 車を運転しているときと運転していないときとで人柄が全く違うかのような人がいる―― ということです。 たしかに、その通りと思います。 何より、僕自身、自分の人柄が変わっているように感じま…

二度三度と読むことが前提であっても

世の中には、二度三度と読むべき本があって―― それを一度しか読まないと、ほとんど読んだうちに入らない―― そういう本が、あるのです。 二度三度と読むべき本というのは―― そのように読まれることが前提になっています。 一度だけ読んでも、内奥の厳密なとこ…

ストーリーはあったほうがいいけれど

情報を伝達するときに、ストーリーを作って伝えれば、スムーズに伝わります。 伝えられるほうも、わかりやすい―― が―― ストーリーを作るときには、少なからずフィクションが混ざるのですね。 それが、ときに危険なのです。 旧日本軍で優秀とされていた参謀た…

組織が柔軟に対応をするのは

個人と違って―― 組織が柔軟に対応をするのは、きわめて困難です。 組織が柔軟に対応をするには―― 組織の構成員同士の密な相互交流や厚い信頼関係が必須となります。 ふつうは、そのような相互交流や信頼関係は期待できません。 ごく稀に、それを見事にやって…

なぜ歴史を学ぶのか

僕は歴史が好きです。 つねに歴史を学んでいようと思っています。 が―― 歴史は、単に好きだから学んでいるのではありません。 たしかに、好きであることが、つねに学ぶことの一助にはなっていると思いますが―― 好きというだけなら、すぐに飽きるでしょう。 …

ストレス解消を本気で図るのなら

ストレスという言葉は、意味が曖昧なので、あまり使わないようにしているのですが――(面倒くさい) と思うときには、気にせずに使っています。 僕が使う意味は、 ――精神的な負担感 です。 もう少し具体的にいうと、 ――何となく疲れていて不快に感じているこ…

単なる不平不満を示すくらいだったら

(あ、この人とは話したくないな) と思ったら―― できるだけ速やかに、その場を立ち去るようにしています。 その場にとどまりつづけ、黙って抗議をする、というような行動を、僕はとりません。 たしかに、「黙って抗議をする」というのも、コミュニケーショ…

本当に「縦割り」が悪いのか

仕事というものは、仮に全く同じ仕事量であっても、内容が慣れないものだと、実際の仕事量より多く感じるものです。 逆に、十分に慣れているものなら、少なく感じる―― つまり、楽に感じる―― ですから―― いわゆる官公庁や大企業などにみられる異動の慣例――2…

見かけ上の外界の変化が、実は

20代の頃によく入っていた系列のファミリーレストランに久しぶりに入ったら―― 懐かしさと同時に、奇妙な居心地の悪さを感じました。 周囲に、自分と同年代かそれ以上の年代の人たちを見かけなかったからです。 もちろん、少しはいたのだと思いますが―― あま…

そういう意味では良い機会

被災地の知事に対する高飛車な発言が物議をかもしたことで―― 松本龍・復興担当大臣が辞任に追い込まれました。 松本大臣の一連のご発言を知ったのは、月曜日の朝です。 ――なんなんだ、この人は? と本気で腹が立ちました。 というのは―― 民主主義の社会にお…

原発が安全かどうかについては

原子力発電(原発)が安全かどうかについては―― もはや議論の余地すらないでしょう。 原発は安全ではありません。 もちろん、想定された事故しか起こらないのであれば―― もしかしたら、安全なのかもしれませんが―― 想定されなかった事故が起こったなら―― と…

人の賢さ

人の賢さを端的に表すならば、 ――他者の考えていることが、きちんとわかるか。 ――自分の考えていることが、きちんと伝わるか。 の2点に集約されると思っています。 大切なのは、「人の賢さ」は人との関係性で決まるということです。 子供の頃の学校の成績が…

絶句でも詰問でもない

ワーグナーの音楽が好きだと思っている人が―― 誰かに向かって「好きな音楽は?」と訊いたときに、 ――AKB48 と答えられたとしましょう。 この場合―― その人は、何と答えればよいのでしょうか。 多くの人の対応が、 1)「あ~、そうですか……」と思わず絶句す…