人と人との関係は、「合う」とか「合わない」とかいうよりも――
――「合わせる気になる」か「合わせる気にならない」か。
が本質でしょう。
つまり、
――目の前の相手と関係を結ぶか結ばないかは選び取ることができても、関係を結ぶ相手を複数の候補の中から選び取ることはできない。
ということです。
もし、選び取れるのだとしたら――
その関係は、どこかおかしなものだとみて間違いはないでしょう。
例えば、ある人が、
――自分は、あの人とは相性が良さそうだが、この人とは相性が悪そうだから、つきあうのはやめにしよう。
などと分析を進めているとき――
その人は、何か人間関係について取捨選択をしているような気持ちになっていると思いますが――
おそらく、それは錯覚です。
分析をしているのは人間関係以外の何か――ひょっとすると自分自身の深層心理――ではないかと思うのです。
自分と相手との関係を自分自身の深層心理と混同することは、ちょっと危険なことです。