被災地の知事に対する高飛車な発言が物議をかもしたことで――
松本龍・復興担当大臣が辞任に追い込まれました。
松本大臣の一連のご発言を知ったのは、月曜日の朝です。
――なんなんだ、この人は?
と本気で腹が立ちました。
というのは――
民主主義の社会において、被災地の政治家に対し、高飛車な発言が許される者など、いようはずがありません。
百歩ゆずって、いたとしても、それは、例えば――
あの3月11日の津波にのまれて九死に一生を得て、その後も長らく不便な避難生活を強いられ続けているような人でしょう。
が――
被災地の復興に向けて先頭に立って尽力すべき立場にある人が、許されるはずはありません。
そういう意味での「なんなんだ、この人は?」だったのですが……。
……ここまで記して――
ハタと気付きました。
(僕は、なんで腹が立ったんだろうか)
と――
自分の感情の変化が――
なぜか、ひどく不思議に感じられたのですね。
理由は、たぶん僕が宮城県民だからです。
僕は、生まれは千葉県ですが――
今は宮城県に暮らし、宮城県で生計を立てています。
3月11日も宮城県にいて――
以後、被災地の現状を同時進行で目の当たりにしてきました。
もし、そんなふうに目の当たりにしてこなかったら――
松本大臣のご発言に、僕は、ここまで腹を立てることはなかったでしょう。
あらためて、
(僕は紛れもなく被災者なんだなぁ)
と実感をした次第――
そういう意味では良い機会でした。