マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

奇跡か悲願か

 きのうの『道草日記』で、

 ――奇跡

 について、ちょっと考える気になったのは――
 なでしこジャパンがワールド・カップで優勝したからです。

なでしこジャパン」というのは――今さら説明をしなくてもいいですよね――サッカー女子・日本代表チームの愛称です。

 この代表チームが世界大会を制覇したことは、報道各社によって、「奇跡の」と表されたり、「悲願の」と表されたりしているのですが――
 その不一致が、ちょっと面白いのですね。

 奇跡なら、悲願ではありえません。
 悲願なら、奇跡ではありえません。

 きのうの『道草日記』の例を引くなら――
 80代も後半になって若返るような奇跡を「悲願の」とはいいません。

 が――
「悲願の越冬」なら、いわないことはない――
 長く厳しい冬を耐えれば、やがて春がやってくることは、皆が知っているからです。

 今回のなでしこジャパンの峻烈な成績は、どちらなのでしょうか。

 僕は背景事情に疎いので、しかとは判断できませんが――
 女子サッカー界の内部事情に詳しい人たちにとっては、どうやら「悲願の」であったようです。