組織のトップはセンスを問われます。
問題を発見するセンスです。
組織の内外で、組織にとって解決すべき問題をスムーズに発見するセンス――
問題を解決することがトップのセンスだと思っている人がいますが――
そうではありません。
トップのセンスは、問題の解決ではなく、問題の発見に顕われます。
もちろん、トップは解決にタッチしなくてもいいということではありません。
いったん問題が発見されたら、組織をあげて解決に取り組まなければなりません。
その取り組みの一翼をトップが担うことは、よくあります。
が――
それは、トップのメインの役割ではないのです。
トップのメインの役割とは、組織の内外で問題を発見し、それが、
――たしかに組織にとって解決すべき問題である。
と宣言を下すことです。
トップが宣言を下すことで初めて、組織は問題を認知し、対応を始めることができるからです。