人間関係を安定させるには相互の信頼が必須です。
相互に信頼しあうのに、留意点はいくらもありますが――
結局は、一貫性が基盤となるでしょう。
要は、場当たり的でない言動のことです。
場当たり的でない言動とは――
具体的には、どういうものか。
逆を考えると、わかりやすいでしょう。
場当たり的な言動とは――
思ったことをすぐに口に出すことと、ほぼ同義です。
その「思ったこと」の中身が激しく変わる場合というのがあって――
それが要注意です。
この場合には、相当に注意深い人であっても、つい場当たり的な言動になってしまうのですね。
思ったことをすぐに口に出さないようにするだけなら、本当は容易なのです。
ただ黙っていればいいのですから――
が、いま「思ったこと」の中身が激しく変わっている場合には、そうはいきません。
つい口に出てしまう――本来は容易であるはずのことが、なかなかできない――
自分自身の「思ったこと」には、誰もが敏感だからです。
これ自体は決して悪いことではなくて――
自分自身の「思ったこと」に敏感でないということ――つまり、鈍感であるということ――は、実は大変に危険なことです。
なぜなら――
それは、自分自身の精神状態を把握していない、ということですから――
マトモな感覚なら、耐え難い状況です。
が、誰かと信頼関係を築こうと思ったら――
この「マトモな感覚」に、ある程度は逆らわないといけない――
自分自身の「思ったこと」にも、ときには鈍感にならなければならない――
信頼関係を築くということは、口でいうほどに易しくはありません。