まずは、日本人が、集団として、不安を感じやすいことに自覚的となり――
次いで、その不安を巧く制御しようとすることに意識的となればよい――
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
……
……
もし、本当に、そうであるならば――
日本の政権の中枢に適した政治家像というものが――
おぼろげながら、みえてきます。
すなわち――
日本が大東亜戦争のようなことに突き進むのを防ぎうる政治家とは――
どのような資質をもった政治家なのか――
が、みえてくる――
……
……
鍵を握るのは、
――不安
でしょう。
日本が大東亜戦争のようなことに突き進むのを防ぎうる政治家は――
日本人が集団として抱く不安を熟知し、かつ、その不安を適切に制御しうる政治家です。
ここで着目したいのは――
そのような政治家は――
自分自身の個人的な不安に対しては、どうなのか――
ということです。
自分自身の個人的な不安に対し――
敏感なのか――
それとも――
鈍感なのか――
……
……
一見すると――
鈍感なのが、よいように思えます。
自分自身の個人的な不安に対して鈍感なら――
日本人が、集団として不安に苛まれているときでも――
自分自身は不安に苛まれずに済むかもしれない――
……
……
が――
僕は――
不安に鈍感よりは、不安に敏感な人のほうが、よいのではないか、と――
考えています。
なぜならば――
不安に敏感な人は――
不安への対処に慣れているはずだからです。
自分自身の個人的な不安から逃げずに向き合い続けた人は――
その不安をいかに鎮め、冷静な判断をいかに下し続けるかを、よくわかっている――
……
……
僕は――
日本の政権の中枢を担う政治家は――
自分自身の個人的な不安に敏感であり、かつ、その不安を絶えず制御し続けてきた政治家が、もっとも適している、と――
考えています。
不安に鈍感な人も――
悪くはないと思いますが――
不安に鈍感な人は――
不安への対処に慣れていないために――
たぶん――
日本人が集団として不安に苛まれてしまうときには――
その集団としての不安に飲み込まれてしまい、冷静な判断ができなくなる、と――
考えています。