マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

説得力? そんなの、とりあえず、どうでもいい

 ――なぜ日本は大東亜戦争(太平洋戦争)に突き進んでいったのか。

 という“日本史の最大級の謎”に対し、

 ――日本人は、集団として、不安を強く感じやすいから――

 という答えを――
 きのうの『道草日記』で示しました。

 ……

 ……

 もちろん――

 歴史学者でも歴史家でもない僕が――
 そんな答えを示したところで――

 ぜんぜん説得力はないと思います。

 が――

 ……

 ……

 それでも――
 この答えに到達しえたことは――

 僕にとっては――
 大いなる喜びでした。

 ……

 ……

 10代、20代のときから――
 ずっと、そのことについて、考えてきたように思います。

 ――なぜ日本は大東亜戦争に突き進んでいったのか。

 ということを――
 です。

 ……

 ……

 そのことについて――
 僕が40代半ばまで、ずっと考えてこれたのは――

 たぶん――
 僕が歴史学者にも歴史家にも、なれなかったからです。

 もし――
 僕が歴史学者や歴史家を志し――
 首尾よく、どちらかになれていたとしたら、

 ――なぜ日本は大東亜戦争に突き進んでいったのか。

 の問いについては――
 いつの間にか考えるのをやめていたように思います。

 (いろんな答えがあるんだよね)
 とか――

 (どう考えたって結論は出ないもんだ)
 とかいっているうちに――

 次第に――
 熱意を失っていったと思います。

 歴史学者でも歴史家でもなかったから――
 熱意が失われることなく――

 いつまでも考え続けることができた――

 そう思います。

 そのような熱意を――
 いま、

 ――素人の熱意

 と呼びましょう。

 ……

 ……

 ――素人の熱意

 は――
 説得力はもたらしません。

 説得力をもたらすのは、

 ――玄人の誠意

 です。

 が――
 “素人の熱意”は――
 本人に無上の喜びをもたらしえます。

 ――納得

 という名の喜びです。

 ……

 ……

 もちろん――
 本当は――
 素人の熱意と玄人の誠意とを併せ持つのが理想です。

 が――
 それは――
 現実には難しいでしょう。

 人のやることです。

 ……

 ……

 話を戻します。

 僕は、

 ――なぜ日本は大東亜戦争(太平洋戦争)に突き進んでいったのか。

 という“日本史の最大級の謎”に対し、

 ――日本人は、集団として、不安を強く感じやすいから――

 という答えを出しました。

 その答えを得たことによって――
 僕個人は、すっかり納得をしてしまいました。

 その答えが妥当なのかどうか――

 そんなことは――
 もちろん、僕にはわかりません。

 そこは――
 わからなくてもよい――

 わからなくてもよいから――

 とにかく――
 納得をする――

 あるいは――
 納得をしたい――

 (説得力? そんなの、とりあえず、どうでもいい……)

 ……

 ……

 ――なぜ日本は大東亜戦争に突き進んでいったのか。

 という問いは――

 少なくとも僕にとっては――

 そういう問いでした。