人の賢さを端的に表すならば、
――他者の考えていることが、きちんとわかるか。
――自分の考えていることが、きちんと伝わるか。
の2点に集約されると思っています。
大切なのは、「人の賢さ」は人との関係性で決まるということです。
子供の頃の学校の成績が良かったかどうかとか――
卒業した大学や就職した会社が立派かどうかといったことは――
ほとんど関係がないであろうということです。
こうしたことで計られる知力は――
特殊技能であることには違いありませんが――
これだけが「人の賢さ」として認識されることは珍しいといってよいでしょう。
「人の賢さ」というのは、人と人との相対性で決まる価値基準の一つです。
その基準は、例えば無人島に一人で暮らす人に当てはめるのは、なかなかに難しいのです。