マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

知的に誠実な人というのは

 知的に誠実な人というのは――
 自分の知力の限界を正しく把握し、かつ、つねに正味の知力を発揮しようと努めている人だと思います。

 実際以上の知力を発揮しようとすれば、もちろんのこと――
 実際未満の知力に抑制しようとしても、誠実な印象は与えられません。

 ところが、

 ――組織のトップは自分の知力を十全に発揮するものではない。

 という考え方があります。
 とりわけ東洋に、そのような思想が根強いようです。

 この思想に基づけば、

 ――組織のトップは知的に不誠実な印象を与えて構わない。

 ということになります。

 西洋では考えられない発想でしょう。

 リーダー論を持ち出すときは、こうした東西の思想の相違を十分に念頭に置く必要があります。

 少なくとも――
 難問を抱えている組織のリーダーがとるべき態度というのは、東西で全く違うといってよいでしょう。