いわゆるB級の物語というのは――
その物語に込められたメッセージが、即物的であったり、本音剥き出しであったりするような物語でしょう。
――とにかくドキドキワクワクしたい!
とか、
――ひたすら、おびえさせてほしい!
とか、
――魅力的な異性と仲良くしたい!
とか――
そういう物語が、僕は好きなのです。
変にお説教したりしないのがいい――日常の憂さをきれいに忘れさせてくれるのがいい――
そういう物語というのは、意外に注意深く構成されています。
お説教じみた物語のほうが、案外、単純な発想に基づいていたりする――
物語というものは、放っておけば、自然と教訓などを含みたがるものなのです。
誰かが意識して含ませるものではないのですね。
そういった“不純物”が取り除かれることで、B級の物語は精錬されていきます。
が、“不純物”を取り除くには、かなりのエネルギーを要するのですよ。
簡単なようで、難しい――
B級の純度が100%の物語というのは、意外にお目にかかれないものです。