マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

プロたちの暗黙の了解

 ――プロは制限時間20%で完成度80%までもっていく。

 といったことを――
 先月29日の『道草日記』で述べました。

 また、

 ――アマチュアは制限時間を使い切っても完成度80%未満である。

 とも――

 ……

 ……

 以上のことは――

 要するに――
 何ごとも、

 ――「完成度80%」がプロとアマチュアとの境界だ。

 ということを意味しています。

 プロは仕事の完成度を確実に80%以上とするが、アマチュアはそうではない――
 ということです。

 ――ええ? たったの80%?

 と思う人は――
 たぶん、プロの経験が不十分なのではないかと――
 僕は思います。

 いかなる場合にも制限時間内に完成度80%までもっていくことの過酷さは――
 プロとして社会に認知され、プロとして社会へ参画し続けた経験のある人なら――
 容易に理解できることではないでしょうか。

 プロは――
 この「80%」の障壁を、一刻も早く乗り越え、プロとしての最低限の責務を果たし終えたがるがゆえに――
 制限時間20%で完成度80%までもっていこうとするのだと思います。

 それゆえに――

 ……

 ……

 プロたちの間では、ある暗黙の了解が存在しているように――
 僕には思えます。

 それは、

 ――他のプロの仕事ぶりについて、もし完成度が80%未満なら、厳しく指弾するけれども、80%以上なら、見て見ぬふりをする。

 という了解です。

 例えば――
 他のプロが完成度80%ギリギリの仕事ぶりを続けていたとしても、とくに非難しない――

 ――もう少し丁寧に仕事をやって、完成度をせめて90%くらいにするべきだ。

 などとは決して口にしない――
 ということです。

 こうした暗黙の了解が倫理的に妥当かどうかは別にして――

 そんな了解があるらしいことに気づいているということは、
(プロであるための必要条件ではないか)
 と――
 僕は思っています。

 ……

 ……

 もちろん――

 十分条件では決してありえないのですけれど……。