マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

プロは制限時間20%で完成度80%まで

 仕事は――
 最初の80%は、すぐに済むが――
 最後の20%は、なかなか終わらない――
 という話をききました。

(まったく、その通り……)
 と――
 瞬時に納得したのですが――

 それで思い出したのが――
 以下の話です。

 20代の頃に耳にしました。

 曰く――

 仕事というのは――
 最初のうちはドカドカと進むが――
 最後のほうは遅々として進まない――

 それを十分に弁えているかどうかが――
 アマチュアとプロフェッショナルとの境界である、と――

 ……

 ……

 例えば――

 この考え方によると――

 縦軸に仕事の完成度(0 ≦ y ≦ 1)をとり、横軸に制限時間中の消費時間比(0 ≦ t ≦ 1)をとると――
 完成度1を漸近線とする双曲線のグラフが得られます。

 具体的には、

  y = 1 - 1/(at+1)

 のグラフです。

 ただし――
 a は正の定数です。

 この a の値が曲者なのですね。

 制限時間を使い切った時点――つまり、

  t = 1

 では、

  y = a/(a+1)

 ですが――

 アマチュアは、

  0 ≦ a ≦ 3

 程度であり――
 プロフェッショナルは、

  10 ≦ a ≦ 30

 程度であるそうです。

 つまり――
 アマチュアは、制限時間を使い切っても、完成度は80%未満であり――
 ひどい場合には、0%である――

 一方――
 プロフェッショナルは、制限時間を使い切って、ようやく完成度は95%を超えるが――
 それでも、決して100%に至ることはない――

 ……

 ……

 さらに大切なことは――

 完成度に対応する制限時間の配分です。

 いま、話を簡単にするために――
 アマチュアのaの値を2、プロフェッショナルのaの値を20とすると――

 アマチュアは、完成度50%にこぎつけるのに、制限時間の50%を使用するが――
 プロフェッショナルは、完成度80%まで仕上げるのに、制限時間の20%しか使用しない――
 ということなのですね。

 この、

 ――プロは制限時間20%で完成度80%まで――

 というのが――
 20代の頃の強烈な記憶として残っているのですが――
 
 それから20年くらいが経って――

 いま――
 自分の社会人経験と照らし合わせて――

(たしかに、その通り……)
 と思いを新たにしております。