マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

プロを超えるアマチュア

 どんな業界でも、

 ――プロを超えるアマチュア

 というのが――
 稀に出てきます。

 プロを超えているのですから――
 その業界にとっては――
 そのアマチュアの技量を活用しない手はないのですが――

 現実的には、なかなかに難しいようです。

 一つは――
 プロは通常、何らかの組織を形成しているために――
 その集団の中に入っていくことが、アマチュアには難しい――
 ということ――

 もう一つは――
 プロを超えるアマチュアが、アマチュアをやめてプロになった途端――
 並み以下のプロになってしまう――もしくは、プロ未満のプロになってしまう――
 ということです。

 一つめの理由は――
 結局は人間関係の問題ですから――
 互いの気配りしだいで、どうにかなるものですが――

 二つめの理由は、

 ――プロであり続けることの難しさ

 に直結しているので――
 なかなかに厄介な問題なのです。

 プロであり続けるというのは、けっこう大変なのですよね。

 何よりもモチベーションを維持するのが大変――
 プロになった頃の高揚感や責任感を覚えておくのが大変――
 日常の惰性に流されないようにするのが大変――

 おそらく、“プロになる”ほうが、“プロであり続ける”よりも、ずっと簡単なのです。

 業界が、プロを超えるアマチュアを本気で活用しようと思ったら――
 そのアマチュアには、アマチュアのままでいてもらうのが肝要でしょう。

 プロを超えるアマチュアは、決してプロになろうとはせず、つねにアマチュアであり続けること――
 それこそが、何よりのモチベーション――原動力――となるように思います。