マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

あと20~30年もしたら

 今日、見知らぬ男の子に、
「オジちゃん」
 と呼びかけられた。たぶん、3、4歳の子である。

(ついに、この日が来たか――)
 と思った。

 別に、おかしくはない。

 僕には甥がいる。
 その甥も、そろそろ小学生になる。

 むしろ、今日まで「オジちゃん」と呼ばれなかったことのほうが、奇跡に近い。

 とはいうものの――
 ショックでなかったといえば、ウソになる。

 ――今日は子供に「オジちゃん」っていわれたよ。

 と、10歳くらい年若の知人に泣きつくと、

 ――僕もいわれたよ。

 と、泣きつき返された。

 それはショックだろう。
 彼は、僕と違って、まだ三十路前なのだ。

 よくよく話をきいてみると――
 相手は同じ男の子だとわかった。

 たぶん、その男の子が、おかしかったのだ。

 そうに決まっている!

 が――
 別の20代の男性には、ちゃんと、
「おニイちゃん」
 と、いっていたらしい。

 いったい、どういうつもりだ?
 きみだって、あと20~30年もしたら、同じことで悲しくなるんだぞ!

     *

 ……と、まあ、なんだかんだといってみたところで――
 こういうことは、口でいう程にはショッキングでないものだ。

 自然と受け入れていくものだと思う。