報道機関が国家政府と癒着し、国家政府を牽制しようとしなくなれば――
その国家に所属する国民は、大変な危険にさらされる――
ということは――
歴史が教えるところです。
よって――
報道機関は、自分たちの職業倫理に基づき――
たとえ国家政府の嫌がることであっても、それが報道すべきことであると判断されるのなら、断固として報道する――
との信念が求められます。
が――
一つ注意しなければならないことがあります。
それは――
ここでいう「国家政府」は、特定の国家政府ではない、ということです。
例えば――
日本の報道機関にとって、「国家政府」とは、日本国政府だけを指すのではありません。
あらゆる外国の政府をも指します。
よって――
もし、日本の報道機関が、日本国政府を牽制しようとするあまり、どこか外国の政府と癒着するようなことがあれば――
それは、
――本末転倒
なのです。
極端な話――
日本の報道機関は、自分たちの使命を果たすために、ときに日本国政府に損害をもたらすことを恐れてなりませんが――
そのことが、どこか外国の政府に利益をもたらしうるとしたら――
それは、きちんと恐れなければなりません。
報道機関は、つねに国家政府から自由であるべきですが――
この場合の「国家政府」とは、特定の国家政府ではなく、任意の国家政府です。