マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

スポーツをみる苦しみ

 スポーツは――
 やるのとみるのとでは大違いですよね。

 スポーツをやる楽しみがあれば――
 スポーツをみる楽しみもある――

 スポーツをやる苦しみがあれば――
 スポーツをみる苦しみもある――

 その楽しみや苦しみの本態は、四者四様といってよいでしょう。

 スポーツというものは、やるのとみるのと、どちらにも精通しない限り――
 その意義を十分に理解したことにはなりません。

 やるのとみるのとは、まさに、

 ――スポーツの両輪

 といえます。

     *

 スポーツをやる楽しみとやる苦しみと――
 スポーツをみる楽しみとみる苦しみと――

 これら4つの中で一番わかりにくいのは――
 おそらくは、“みる苦しみ”でしょう。

 スポーツをみる苦しみとは――
 落胆や苦悶を強いられる可能性のことです。

 スポーツをみていると――
 自分の応援する選手やチームが、しぜんと決まってくる――

 いつしか――
 その選手やチームの不成績がわかると――
 まるで我が事のように落胆をしたり苦悶をしたりするようになる――

 ひとたび落胆や苦悶に浸ってしまうと――
 気持ちを切りかえるのは、なかなかに難しい――

 その点は――
 我が事に伴う落胆や苦悶と、まったく同様である――

 それなりの理性を働かせないと――
 いつまでも嫌な気持ちを引きずってしまう――

 やがて――
 落胆や苦悶の責任を自分が応援した選手やチームになすりつけたくなる――

 その選手やチームを応援すると決めたのは――
 あくまでも自分自身であるはずに――

 ……

 ……

 このように――
 つねに負の感情にとらわれる可能性がある、ということが――
 スポーツをみる苦しみの本態です。