マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「策士、策に溺れる」や「木を見て森を見ず」を防ぐには

 人は――
 いま自分が手にしている安心や幸福を――
 つい忘れがちです。

 その代わり――

 いま自分を苛んでいる不安や不幸ばかりを――
 気にかけてしまう――

 そして――
 その不安や不幸を強引に掻(か)き消そうとして――

 いま自分が手にしている安心や幸福を――
 それと気づかず、手放していく――

 気づいた時には――
 あとの祭り――

 ただただ、己の愚を呪うばかり――

 ……

 ……

 もちろん――

 不安や不幸を掻き消そうとするのは――
 賢明なことであり、重要なことです。

 が――
 それ以上に、賢明で重要なことは――

 いま自分が手にしている安心や幸福を――
 できるだけ手放さずに済むよう、十分に気をつけることです。

 いまの安心や幸福と引き換えに掻き消す意義のある不安や不幸など――
 ありえないといってよいでしょう。

 ……

 ……

 このことを強く意識していれば、

 ――策士、策に溺れる。

 とか、

 ――木を見て森を見ず。

 といった愚を防ぐことも――
 難しくはないはずです。