思考には、
“開放系の思考”
と、
“閉鎖系の思考”
とがあるように思います。
“開放系の思考”が生み出す思想は、すぐさま多くの人々に理解され、共感される反面――
短期間のうちに飽きられ、忘れ去られます。
一方――
“閉鎖系の思考”が生み出す思想は、限られた人々にしか興味や関心を抱かせない反面――
時代や地域を越えて受け継がれていきます。
“開放系”の思想は、「開放系」の名が示す通り、思想の中へと入っていきやすく――
ひとたび中に入ったら、周囲を十分に見渡せるのですね。
よって――
人々に親しまれやすい思想です。
が――
その分、思想としての欠陥や限界を見切られるのは早い――
一方――
“閉鎖系”の思想は、「閉鎖系」の名が示す通り、思想の中へと入っていきにくく――
中に入ったところで、なかなか周囲を見渡せないのですね
よって――
人々に避けられやすい思想です。
が――
その分、思想としての欠陥や限界を見切られるのは遅い――
……
……
この違いを――
今日の日本社会に即して述べるならば――
“開放系”の思想が核となっている書籍は、すぐにベストセラーとなりえますが――
30年後も売られている可能性は、ほとんどありません。
“閉鎖系”の思想が核となっている書籍は、ベストセラーになることは、まずありませんが――
30年後に世界各地で翻訳されている可能性があります。
そういう違いです。