マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

再び「精神の意義」へ(5)

――精神の意義 に関わる3つの“情報”、 ――身体の外部の部分情報 ――身体の内部の全体情報 ――身体の内部の部分情報 の量を示す上で、身体の外部の状態のエントロピー(entropy)、 S (t) = ∫ q (x; t)(− ln p (x, s; t))dx は、重要な役割を果たす。 ここでい…

再び「精神の意義」へ(4)

――精神の意義 は、 ――“身体の内部の全体情報”の書き換え にある―― といえる。 もう少し精確にいえば、 ――“身体の外部の部分情報”を受け入れ、“身体の内部の全体情報”を書き換えた上で、そのことを基に“身体の内部の部分情報”を生み出し、それを送り出すこと―…

再び「精神の意義」へ(3)

身体が、時刻 t から時刻 t + Δt にかけて受け入れる、 ――身体の外部の部分情報 の量 ΔI (t) は、 ΔI (t) = ∫ q (x; t)(− ln p (x, s; t))dx − ∫ q ( x; t + Δt )(− ln p ( x, s; t + Δt ))dx で表される。 ただし―― q (x; t) は、身体の持ち主が、身体…

再び「精神の意義」へ(2)

身体の外部において―― 状態を決める変数を x とし、時刻を t とし、その状態が実現をする確率を p (x, t) とすれば―― 時刻 t における身体の外部のエントロピー(entropy) S (t) は、高校の数学で学ぶ自然対数 ln を用いて、 S (t) = ∫ p (x; t)(− ln p (…

再び「精神の意義」へ(1)

さて―― そもそも―― 何について述べていたか。 …… …… ――精神の意義 である。 ――“身体の内部の全体情報”の書き換え にこそ、 ――精神の意義 はある―― と述べていた。 もう少し精確にいえば―― ――“身体の外部の部分情報”を受け入れ、“身体の内部の全体情報”を書き…

起こっているか、起こっていないか

自然界のある部分について―― 時刻 t における状態のエントロピー、 S (x, t) = − ln p (x, t) や―― その状態が時刻 t で実現をする確率、 p (x, t) に含まれる変数 x ――状態を決める変数 x ――が意味をしていることは―― 少なくとも直観的には―― 少し判りづら…

状態を決める変数 x

自然界のある部分について―― ある時刻 t における状態のエントロピー(entropy)は―― その状態が実現をする確率 p (t) で、 − ln p (t) と表される――ただし、ln は高校の数学で学ぶ自然対数である。 これに、 S (t) と名前を付けることで―― 判ることがある。…

情報の量は確率ではなく――

ある時刻 t において、状態が 1 つに決まる確率を p (t) とすると―― その状態の ――エントロピー(entropy) は、 − ln p (t) で表され―― そのエントロピーが、時間 Δt の間に、 − ln p (t) から、 − ln p ( t + Δt ) へと減る時―― 情報は、 − ln p (t) −(− …

エントロピーを確率で――

ある時刻 t において、状態が 1 つに決まる確率を p (t) とすると、 ――情報の量 は、より明瞭に記せる。 ――エントロピー が、時間 Δt の間に、 ln(1 / p (t)) から、 ln(1 / p ( t + Δt )) へと減る時―― 情報は、 ln(1 / p (t))− ln(1 / p ( t + Δt )…

場合の数ではなくて――

――情報の量 は、 ――エントロピー(entropy) の概念に着目をすると―― 一般に、 ln W − ln(W / Δw) = ln Δw と記せそうなことが、わかる。 ただし、ln は高校の数学で学ぶ自然対数であり、Δw は W を定めうる要素の数――例えば、原子や分子などの数――の変化…

エントロピーから“情報の量”へ

――エントロピー(entropy) とは、 ――不確実性 であり―― ――不確実性が低まる。 とは、 ――情報が伝わる。 ということである。 例えば、 ――これから振られるサイコロの目は一見 6 種類あるが、実は 2 種類しかない。 という情報が伝わると―― その情報を受け取…

なぜエントロピーが“情報の量”なのか

20世紀アメリカの電気工学者・数学者クロード・シャノン(Claude Shannon)は―― なぜ、エントロピー(entropy)を、 ――情報の量 と観(み)立てのか。 エントロピーは―― 19世紀ドイツの物理学者ルドルフ・クラウジウス(Rudolf Clausius)によって初めて学問…

エントロピー(2)

自然界において、 ――エントロピー(entropy)は、熱のエネルギーが集まる部分の広さの関数である。 といえる。 では、 ――熱のエネルギーが集まる部分の広さ とは何なのか。 ――空間の容積 か。 …… …… たしかに、“空間の容積”と無関係ではない。 が―― 本質は、…

エントロピー(1)

――エントロピー(entropy) という物理量の存在に史上はじめて気づいたのは―― 19世紀ドイツの物理学者ルドルフ・クラウジウス(Rudolf Clausius)であった―― と考えられる。 当初―― この物理量の真の意味を、科学者たちは、クラウジウス当人も含め、十分には…

エントロピー、情報の量

――エントロピー(entropy) は、19世紀、ドイツの物理学者ルドルフ・クラウジウス(Rudolf Clausius)やオーストリアの物理学者ルートヴィヒ・ボルツマン(Ludwig Boltzmann)らによって導入をされた。 S = k ln W と表される。 S はエントロピー、k はボル…

情報の量

――情報 は、 ――意味 を考えたら―― 扱えぬ。 少なくとも―― 学問では―― 扱えぬ。 10 人がいたら、10 通りに捉え方が分かれる―― そんな普遍性に乏しいことは、学問では扱えぬ。 ――ならば―― と考えた者がいた。 ――意味を考えなければよい。 と―― ――情報は、意味…

情報とは何か

――精神の意義 は、 ――“身体の内部の全体情報”の書き換え にある―― そして―― その、 ――身体の内部の全体情報 こそが、 ――自我 を象っている―― と―― そのように考えてみよう。 …… …… そのように考えるならば―― 当然ながら―― ――身体の内部の全体情報 の実態が気…

精神の意義(3)

――精神の意義 は、 ――“身体の外部の情報”を“身体の内部の情報”に作り換える。 ということにあり―― それは―― もう少し精確にいえば―― ――“身体の外部の部分情報”を受け入れ、“身体の内部の全体情報”を書き換えた上で、そのことを基に“身体の内部の部分情報”を…

精神の意義(2)

精神の営みの本態は、 ――身体の外部の情報 を、 ――身体の内部の情報 に作り換えることではないか―― と、ひとまずは考えられる。 では―― この、 ――作り換え には、どのような意義を見出せるのか。 つまり、 ――精神の意義 とは何か―― …… …… この問いに一応の答…

精神の意義(1)

――神経の装置 を、 ――神経系 と、みなし、 ――中枢神経系 と、 ――末梢神経系 とに分ける考え方では―― おそらく―― 精神の営みには迫れない。 それよりは―― ――神経の装置 を、 ――求心性装置 と、 ――遠心性装置 とに分ける考え方のほうが―― いくらか有望である。…

精神は中枢神経系に宿るか

――神経の装置 を―― 一般的な見解に基づき、 ――神経系 とみなし―― これを、 ――中枢神経系 と、 ――末梢神経系 とに分ける考え方は―― 厄介な誤解をもたらす。 ――精神は中枢神経系に宿る。 という誤解である。 精神は身体に宿る―― これは、おそらく真実である。 …

神経系

――神経の装置 は、知覚と運動とを殆ど同時並行で繰り返す。 この繰り返しの営みが、 ――精神 といえる。 この、 ――神経の装置 は、 ――神経系 と呼ばれる。 ――神経系 は、一般には、2つに大別される。 ――中枢神経系 と、 ――末梢神経系 との2つである。 簡単…

神経と精神と

――神経 とは、 ――身体における糸状の構成物かつ情報の伝達路 である、と―― ひとまずは、いえる。 糸のように細くて長い物が―― 身体の中で精緻に編み込まれ、複雑で秩序のある一つの装置――神経の装置――を成している。 その装置が―― 身体の外部の情報を受け入…

神経

――“自分自身の精神”を宿す物 は、 ――“自分自身の身体”の一部 である。 では―― 具体的に、どの一部なのか。 …… …… ――神経 である。 身体のうち、神経が精神を宿していると考えられている。 よって―― しばしば、 ――精神・神経 あるいは、 ――精神神経 と表記を…

自我の客体化

――なぜ自己に自我が宿るのか。 この問いに答えを求めるなら―― ――自我の客体化 が不可避である。 ――自我の客体化 とは、 ――自我で自我を対象として捉えること である。 実際には―― 自我を対象として捉えられうるのであれば―― それは「自我」ではありえず、 ――…

なぜ自己に自我が宿るのか

自分自身の精神と―― 自分自身以外の精神と―― は、基本的には、別種の概念と思うのがよい。 これら概念を同種とみなすと―― 様々な混乱を招く。 ――なぜ身体に精神が宿るのか。 との問いは―― 単に素朴で常套なだけでなく―― 酷く深遠で重大な問いに感じられがち…

その直観に確かな実感が伴うか――

――精神 は、 ――散逸構造の性質 の一角を占める―― と、いえる。 が―― 一つ、注意をせねばならぬ。 ここでいう「精神」は―― 自然界に存在をしている精神の、殆ど全てを指しているが―― 1つだけ、指しているかどうかが怪しい精神がある。 どんな精神か。 …… …… …

精神は特別か

身体は散逸構造と1つといえる。 ――身体の機能 は、 ――散逸構造の性質 に他ならぬ。 その“性質”の一部として、 ――精神 がある。 つまり―― 精神は、“身体の機能”の中で殊に特別というわけではない。 …… …… おそらく、 ――精神 は、 ――散逸構造の性質 の一角を…

身体は散逸構造の1つ

――なぜ有機物の塊が、食べたり、歩いたり、できるのか。 という驚きは―― そのまま、 ――身体の機能 への驚きでもある。 この驚きは、ひとまず、 ――散逸構造 という概念で説明――あるいは、換言――をされうる。 自然界では、エネルギーが散逸を続けることで、物…

身体の機能も自我に劣らず不思議――

――夜などに宙を舞う炎 を目の当たりにしたら―― たいていの人は驚く。 そうした人たちの殆どは、 「人魂だ!」 と、いって驚く。 が、 ――人魂だ! と、いって驚く前に―― 単に炎が宙を舞っていること自体に驚く者もいる。 実は―― 本来は―― そうである。 何の話…