マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

精神は中枢神経系に宿るか

 ――神経の装置

 を――

 一般的な見解に基づき、

 ――神経系

 とみなし――

 これを、

 ――中枢神経系

 と、

 ――末梢神経系

 とに分ける考え方は――

 厄介な誤解をもたらす。

 

 ――精神は中枢神経系に宿る。

 という誤解である。

 

 精神は身体に宿る――

 これは、おそらく真実である。

 

 その身体は、

 ――神経系

 という名の“装置”を含む――

 これも、おそらくは真実である。

 

 そして――

 その神経系は、

 ――中枢神経系

 と、

 ――末梢神経系

 とに分けられる――

 これも、おそらく間違いではない。

 

 が――

 

 ――よって、「精神は中枢神経系に宿る」――

 というのは――

 おそらくは間違いである。

 

 少なくとも、

 ――知覚と運動との繰り返しが、精神の営みである。

 と、みなすならば――

 明らかに間違いである。

 

 身体が、末梢神経系を切り離し、中枢神経系だけに依って知覚と運動とを繰り返すことは――

 少なくとも科学虚構的な発想を抜きにすれば――

 不可能である。

 

 精神が中枢神経系に宿るということは――

 どうにも、ありそうにない。

 

 より精確に述べるならば――

 精神が宿るのは、あくまでも身体であり――

 その身体において、精神の宿る部分をわざわざ中枢神経系に限るには相応の根拠を要するが――

 21世紀序盤の現代――

 そのような根拠は見出されていない――

 となる。

 

 『随に――』