マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

基本形の図式「演算 × 配線 = 体験」

 ――内省

 とは、

 ――既定の“神経配線”において未定の“中枢起始の演算”が行われること

 ではないか――

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 ……

 

 ……

 

 ちょっと話を先走らせすぎましたね。

 

 そもそも、

 ――神経配線

 とか、

 ――中枢起始の演算

 とかいうのは――

 11月23日や11月24日の『道草日記』で述べた、

 

  (末梢起始の演算 + 中枢起始の演算)× 神経配線

  = 感覚の体験 + 反応の体験

 

 の図式に含まれる概念です。

 

 この図式は、どこから導かれたかというと――

 脳を含む神経系に関する、

 ――形態

 と、

 ――機能

 との考察からでした。

 

 脳を含む神経系について、

 ――形態

 とは、

 ――神経細胞うしの接続

 に他ならない――

 それを、

 ――配線

 と呼ぼう――

 

 また――

 脳を含む神経系において、

 ――機能

 とは、生理的な側面に着目をすれば、

 ――演算

 であり、心理的な側面に着目をすれば、

 ――体験

 であるけれども――

 ふつうに、

 ――心理と生理との分断

 の深刻さを思えば、

  演算 ≠ 体験

 とは認めがたいので――

 代わりに、

  演算 × 記録 = 体験

 とみなそう――

 

 そういう考えです。

 

 その後――

 11月23日の『道草日記』で、

 ――記録

 を、

 ――神経配線

 と呼び換えましたから、

  演算 × 記録 = 体験

 は、

  演算 × 神経配線 = 体験

 と書き換えられます。

 

 脳を含む神経系の全体を考えるのか部分を考えるのかに特段の注意を払わなくてよいときは、

 ――神経配線

 は、たんに、

 ――配線

 と記してよいでしょう。

 

 つまり、

  演算 × 配線 = 体験

 です。

 

 この図式こそが、

 

  (末梢起始の演算 + 中枢起始の演算)× 神経配線

  = 感覚の体験 + 反応の体験

 

 の基本形とも呼ぶべき図式です。

 

 よって――

 基本形の応用によって、

 ――内省

 を考えるよりも先に――

 もう一度、基本形に立ち返って、

  演算 × 配線 = 体験

 の図式について考えるほうがよいでしょう。

 

  演算 × 配線 = 体験

 の図式は、よく考えると、奥が深いのですね。

 

 脳を含む神経系について、

  形態 = 配線

 であることを思い出せば――

 なおさらです。