マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

演算と配線と

 脳を含む神経系については、

 

  (末梢起始の演算 + 中枢起始の演算)× 神経配線

  = 感覚の体験 + 反応の体験

 

 の図式を基本に考える前に――

 この図式の更なる基本形である、

  演算 × 配線 = 体験

 に立ち返って考えることが有意義である――

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 ここで改めて、

 ――演算

 と、

 ――配線

 との意味を確かめておきましょう。

 

 ――演算

 とは――

 11月7日の『道草日記』で述べたように、

 ――神経細胞どうしで行われる信号の送受

 です。

 

 この「信号」というのは――

 神経細胞を包む膜の内外にかかる電圧の変化のことであり――

 この電圧の変化に着目をすると、神経細胞は少なくとも相異なる2つの状態をとることがわかっています。

 

 このことから――

 脳を含む神経系は、神経細胞を素子とするコンピュータのようなものとみなせ、コンピュータの二進法の演算に似た情報処理を行っているのではないかと考えられることは――

 11月7日の『道草日記』で述べた通りです。

 

 つまり、

 ――演算

 とは、

 ――(脳を含む神経系を成す)神経細胞の個々の状態の変化

 を指します。

 

 もちろん――

 ただの「変化」ではなくて、

 ――何らかの規則性に基づくことで明確な秩序が保たれた上での変化

 ですから――

 それは「推移」と呼ばれるほうが適切かもしれません。

 

 一方、

 ――配線

 とは――

 11月4日の『道草日記』で述べたように、

 ――(脳を含む神経系を成す)神経細胞うしの接続

 です。

 

 どの神経細胞が、他のどの神経細胞と繋がっているのか、あるいは、他のどの神経細胞と繋がっていないのか――

 その詳細です。

 

 神経細胞の個々の状態の変化は、接続のある神経細胞のみに影響を及ぼし、接続のない神経細胞には影響を及ぼさないと考えられます。

 

 つまり――

 脳を含む神経系について、

 ――配線

 は、

 ――演算

 の及ぶ範囲を、ある程度、限っていることになります。