マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

再び「精神の意義」へ(1)

 さて――

 

 そもそも――

 何について述べていたか。

 

 ……

 

 ……

 

 ――精神の意義

 である。

 

 ――“身体の内部の全体情報”の書き換え

 にこそ、

 ――精神の意義

 はある――

 と述べていた。

 

 もう少し精確にいえば――

 

 ――“身体の外部の部分情報”を受け入れ、“身体の内部の全体情報”を書き換えた上で、そのことを基に“身体の内部の部分情報”を生み出し、それを送り出す。

 ということに、

 ――精神の意義

 はある、と――

 

 ……

 

 ……

 

 そのことを述べるために――

 

 ――情報とは何か。

 を考え――

 

 ひとまず、

 ――情報の量

 だけを考え――

 

 ――情報の質

 は考えぬ――

 

 と決めた。

 

 それには、

 ――エントロピー(entropy)

 という物理量の概念が有用であるので――

 

 それについて、多少の数学を用い、述べた。

 

 ……

 

 ……

 

 要するに――

 

 ――エントロピー

 を用いて、

 ――精神の意義

 を論じたい――

 ということである。

 

 いいかえるなら――

 

 ――エントロピー

 の観点から、

 ――“身体の内部の全体情報”の書き換え

 について述べたい――

 

 その際――

 当然ながら、

 ――情報

 の量のみを考える。

 

 つまり、

 ――身体の内部の全体情報

 の量のみを考える。

 

 質は考えぬ。

 

 ――「エントロピー」の観点から述べる。

 とは――

 そういうことである。

 

 ……

 

 ……

 

 さて――

 

 ――身体の内部の全体情報

 を考える前に――

 

 ――身体の外部の部分情報

 を考えよう。

 

 既述の通り、

 ――精神の意義

 を多少なりとも精確に記せば、

 ――“身体の外部の部分情報”を受け入れ、“身体の内部の全体情報”を書き換えた上で、そのことを基に“身体の内部の部分情報”を生み出し、それを送り出す。

 であった。

 

 つまり、

 ――身体の内部の全体情報

 は、

 ――身体の外部の部分情報

 が基になっている。

 

 では、

 ――身体の外部の部分情報

 の量は、エントロピーを用い、どのように表されるのか。

 

 ……

 

 ……

 

 難しくはない。

 

 身体の外部において――

 状態を決める変数を x とし、時刻を t とし、その状態が実現をする確率を p (x, t) とすれば――

 時刻 t における身体の外部のエントロピー S (t) は、高校の数学で学ぶ自然対数 ln を用いて、

  S (t) = ∫ p (x; t)(− ln p (x; t))dx

 と表される。

 

 時刻 t におけるエントロピー S (t) の変化を ΔS (t) とすると、身体が受け入れる身体の外部の部分情報の量 ΔI (t) は、

  ΔI (t) = − ΔS (t)

 であるから、

 

  ΔS (t)

  = S ( t + Δt ) − S (t)

  = ∫ p ( x; t + Δt )(− ln p ( x; t + Δt ))dx

   − ∫ p (x; t)(− ln p (x; t))dx

 

 であることより、

 

  ΔI (t)

  = ∫ p (x; t)(− ln p (x; t))dx

   − ∫ p ( x; t + Δt )(− ln p ( x; t + Δt ))dx

 

 である――

 と考えられる。

 

 が――

 

 ことは――

 そう単純ではない。

 

 ……

 

 ……

 

 『随に――』