マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

ラジオは“エンジン音”という壁にうがたれた窓

 車の運転中にCDをかけるのは――
 部屋の壁に絵をかけるようなものです。

 額縁に囲まれた絵画が壁の陰影の味気なさを補ってくれるように――
 CDの音楽がエンジン音の味気なさを補ってくれます。

 が――
 CDは、あくまでも絵であって――
 窓ではないのですね。

 窓はラジオにあたるでしょう。

 額縁に囲まれた絵画が二度と変化しないように――
 CDの音楽も二度と変化しません――スタジオで録音されたときのまま――

 が――
 窓からみえる景色は、違います。
 四季折々に変化する――

 ラジオで流れる番組も――
 時々刻々と変化する――

 ラジオは“エンジン音”という壁にうがたれた窓だとみなせます。