人は、自分が恵まれていても、そのことに容易には気づきません。
悲しいことに――
自分よりも恵まれていない人たちをみることで初めて気づいたりします。
では――
自分が恵まれていることに気づくために――
人は、自分よりも恵まれていない人たちのところへ赴くべきでしょうか。
そのように考えて――
ボランティア活動をしに発展途上国などへ出かける人がいるそうです。
たしかに――
それは強力な手段であるとは思いますが――
これが唯一の手段であるとは思いません。
自分の幸せを確認するために他者の不幸せを体感しに行くというのは――
やはり、どこか捻れた発想でしょう。
では、どうすればいいか――
どうすれば、自分が恵まれていることに気づけるのか――
気づくことを諦めたらいい――
自分が恵まれていても、いなくても、
――自分は恵まれている。
と仮定すればいいのです。
仮定ですから――
場合によっては、それは真実から遠く離れているわけですが――
この際、大した問題ではありません。
実際には恵まれているのに「自分は恵まれていない」と勘違いをすることこそ――
人は、どうしても避けておかなければならないからです。