マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

民心の離反した権力者の最期というのは

 リビアの指導者カダフィ氏が死去しました。
 報道を総合すると、反カダフィ派の兵士たちに拘束された後で、何者かに殺害されたようです。

 生まれ故郷の町に潜伏していたようですが――
 電気や水道が使えず、食べるものに困り、警護兵たちが盗んできた食べ物で空腹を満たしていたといいます。

 空襲に怯え、新たな潜伏先を求めて生まれ故郷の町を出たところ、北大西洋条約機構軍の空軍機に捕捉され、空爆を受けました。

 このとき、カダフィ氏に付き従っていたのは100名足らず――
 空爆によって、逃走用の車や警護兵の多くを失い、わずかな伴を連れて逃げ込んだ先は、排水溝のようなところ――

 進退きわまって、ついに降伏を決意したまでは良かったのですが――
 その後の言動が、かつての国家指導者の威厳を感じさせないものだったようです。
 命乞いをしたり、強がってみせたり――

 人心の荒んだ戦闘後のひと時のことです。
 つまらない負け惜しみなどをいって無名の民兵を激情させて、突発的に殺害されてしまったのではないかと、想像します。

 カダフィ氏に従った敗残兵の中には、かつての国防相も交じっていたとか――
 国軍を失った国防相によって守られていた国家指導者というのは、まさに絵に描いたような梟雄の末路です。

 日本の戦国時代を扱った歴史小説などにも出てきそうな情景でしょう。

 民心の離反した権力者の最期というのは、いつの時代のどこの国でも同じに違いありません。