議論のための議論というのは――
面白くないのですね。
例えば、
――仕事に大切なのはスピードかクオリティか。
といった議論は、そんなに面白くない――
どちらも大切なのは自明だからです。
より正確には――
仕事を取りまく状況によって、どちらが大切かが決まるからです。
よって――
仕事を取りまく状況を指定せずに「スピードかクオリティか」と問われても、議論は深まりません。
上っ面をなでるような議論になっていく――「上っ面」ですから、議論を始めるのは簡単なのですが、その分、すぐに終わってしまう――
――スピードが大切なのは○○の状況、クオリティが大切なのは××の状況――
と説明をされ、簡単に終わってしまう――
そういう問題提起で始まるのが「議論のための議論」の典型です。
それよりは、
――仕事でスピードよりもクオリティが求められるのは、どのような状況か。
という問題提起のほうが、ずっとよい――
この問いは、
――仕事のクオリティとは何か。
といった問題の本質に気づかせてくれるからです。
「議論のための議論」は、ちょっとした工夫次第で、
――本質を突く議論
に変えることができます。