マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

ロシアは18世紀以前の社会を保っている

 ――現在のロシア政府の最高指導者は、18世紀以前に生まれていたら、英雄になっていたであろう。

 との指摘があるそうです。

 

 要するに、

 ――現在のロシア政府の最高指導者が思考をして行動に移していることは、18世紀以前であれば、ごく普通のことであり、ことさら「非人道的だ!」などと誹(そし)られるようなことはなかったであろう。

 ということです。

 

 その通りと思います。

 

 そこで気になるのは――

 そのような思考や行動を選ぶ人物が、なぜロシア政府の最高指導者の地位に就けたのか――

 ということでしょう。

 

 最も考えやすい理由としては、

 ――ロシアは、21世紀序盤の現代においても、18世紀以前の旧態依然とした社会を少なくとも部分的に保っているから――

 が挙げられます。

 

 おそらく――

 ロシアだけではありません。

 

 ロシア以外にも多くの国々が、21世紀序盤の現代においても、なお18世紀以前の社会を保っているのです。

 中国も、そうでしょう。

 

 権威主義の国家の殆どは、おそらくは、そうなのです。

 

 主要7か国にとって、21世紀序盤の現代の社会は――

 いわゆる市民革命と、それに続く産業革命とに、その基礎を置いていると考えられます。

 

 市民革命の起こり始めが17世紀の中盤であり――

 それに続く産業革命の起こり始めが18世紀です。

 

 思いっきり概論化すると――

 市民革命によってもたらされたのが民主主義であり――正確には、権威主義からの脱却であり――

 産業革命によってもたらされたのが資本主義である――あるいは、自由主義による経済である――

 といえます。

 

 これら2つの革命が起こった場所は、いずれもイギリス――つまり、主要7か国(Group of Seven, G7)の一角――でした。

 

 市民革命と産業革命とが――

 この順番で同じ場所に起こったことは、偶然ではないでしょう。

 

 おそらく、市民革命は産業革命が起こるのに必要でした。

 

 21世紀序盤の現代においても、18世紀以前の社会を少なくとも部分的に保っている国というのは――

 市民革命の産物を受け入れずに、産業革命の産物だけを取り込もうとしていると考えられます。

 

 それゆえに――

 いつまでも権威主義からの脱却を果たさずにいる――あるいは、果たせずにいる――のです。

 

 そういう国の1つが――

 ロシアなのだと思います。