マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“持続可能な開発目標”の決定的な副次効果

 いわゆる、

 ――持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals, SDGs

 という目標は――

 先進国も発展途上国も一応は同意をしうる――あるいは、民主主義国家も権威主義国家も一応は同意をしうる――

 という意味で、

 ――地球に暮らす全ての人たちの総意

 とみなされうる点が、画期的であった――

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 この、

 ――地球に暮らす全ての人たちの総意

 とみなされうる点が――

 決定的な副次効果をもたらしています。

 

 政府や非政府組織・非営利組織だけでなく――

 営利組織――つまり、一般企業――までもが、

 ――持続可能な開発目標

 に取り組まざるをえなくなったのです。

 

 なぜ一般企業が、

 ――持続可能な開発目標

 に取り組むのか――

 

 ……

 

 ……

 

 ときに、

 ――取り組めば、もうかるから――

 との説明が、なされているようですが――

 

 実態は――

 おそらく、そうではありません。

 

 ――取り組まなければ、企業として生き残れないから――

 というのが実態です。

 

 ――持続可能な開発目標

 は、

 ――地球に暮らす全ての人たちの総意

 とみなされていますから――

 これに真剣に取り組まなければ、世界中の投資家や消費者などからソッポを向かれる危険性が高まったのです。

 

 とりわけ、事業を多国籍で繰り広げていた大企業ほど――

 その危険性に敏感とならざるをえなくなりました。

 

 21世紀序盤の現代社会において――

 多国籍企業の影響力は、今や、たいていの国家の影響力を凌いでいます。

 

 そのような営利組織を巧く巻き込めたという意味で、

 ――持続可能な開発目標

 という目標は、実に強力でした。

 

 この目標は、ほとんど、

 ――思想

 と呼ぶにふさわしい見解となって――

 地球に暮らす全ての人たちに、多少なりとも影響を及ぼし始めています。

 

 が――

 そのことと――

 この目標が真に有意義であるか否かということとは――

 無関係です。

 

 ――地球に暮らす全ての人たちの総意

 とみなされうるからといって――

 その総意の内容が、

 ――正しい

 とは限りません。

 

 人の社会においては、

 ――常に多数派の見解が正しい。

 とは到底いえないのです。