マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「粋」の問題が面白いわけ

 ――粋(いき)

 の最大の不思議は――

 その性質(魅力)が、

 ――女として

 ものなのか――

 あるいは、

 ――男として

 のものなのか――

 

 それとも、

 ――人として

 のものなのか――

 

 それが――

 いま一つ判然としないところにあります。

 

 それゆえに、

 ――「粋」とは何か。

 の問いに答えを見出す試みが、俄然、面白くなるのです。

 

 この『道草日記』で連日、述べてきたように――

 「粋」とは「色気の嗜(たしな)み」です。

 

 「色気」が関わっていますから――

 もちろん、性に依存する性質――女としての性質、あるいは男として性質――といえます。

 

 が――

 それだけではない――

 

 「嗜み」も関わっていますから――

 「粋」は、性に依存する性質であると同時に、人に依存する性質でもあるのです。

 

 そのように整理がついてしまえば、「粋」の問題は、とりあえずは、それほど不思議ではなくなります。

 

 要するに――

 それは、相手を、

 ――女としてみるか、人としてみるか――

 あるいは、

 ――男としてみるか、人としてみるか――

 という根の深い問いなのです。

 

 そうした整理がつくまでは、「粋」は、

 ――これって、何だろう?

 と考えずにはいられない問題であり続けるでしょう。