相手を、
――女として
みるか、
――男として
みるか――
それとも、
――人として
みるか――
それは――
なかなかに厄介な問題です。
もちろん――
日常生活の大半では、“人として”みるのがよく――
“女として”あるいは“男として”みる事態は、かなり稀です。
が――
日常生活の稀少な場面では、ときに相手を“女として”あるいは“男として”みなければならない事態が起こります。
そのようにみなければ、事態を適切に把握できない――あるいは、適切に行動できない――ということが、起こりうるのです。
恋愛の場面などが、その典型です。
が――
そのような事態は稀にしか起こりませんから――
例えば、“女として”みるか、あるいは“男として”みるか――それとも、“人として”みるか――といった問いが学問的な色彩を帯びることは、まず、ありません。
それだけの普遍性を見出しにくい――実際のところ、まったく普遍性がないわけではないのでしょうが、少なくとも、その普遍性を見出しにくい――
そういう背景が、
――「女として」「男として」? それとも「人として」?
の問いにはあります。