――「粋(いき)」は「男の関心事」といえるので、「粋」の性差を考える場合には、“男性が男性に感じとる「粋」” と “男性が女性に感じとる「粋」” との2つを主に考えればよい。
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
もちろん、“女性が男性に感じとる「粋」” や “女性が女性に感じとる「粋」” も想定はできますが――
それらは、あくまで理屈の上での概念であり、現実には、十分には成立しえない概念ではないか――あるいは、女性が感じとる「粋」というは、実態としては、男性の主観を介在させる間主観的な「粋」ではないか――
ということです。
よって――
以下、“男性が男性に感じとる「粋」” と “男性が女性に感じとる「粋」” とに絞って考えることにします。
まずは、
――男性が男性に感じとる「粋」
から考えてみましょう。
「粋」が「色気の嗜(たしな)み」である以上、“男性が男性に感じとる「粋」” を考えるならば、どうしても、
――男の色気
を考えないわけにはいきません。
よって――
ここから、さらに話がややこしくなるのですが――
僕は「男の色気」には2つあると思っています。
1つは、
――男性が男性から感じる色気
で、もう1つは、
――女性が男性から感じる色気
です。
簡単にいうと――
前者は、男性が男性によって性的欲求をかきたてられることであり、要するに男色のことで――
後者は、女性が男性によって性的欲求をかきたてられることであり、通常の女性視点の色気です。
よって、“男性が男性に感じとる「粋」” を考える場合も2通りに場合分けをする必要があります。
つまり、男色の「粋」か女性視点の「粋」かの2通りです。
ここでいう「女性視点」には注意が必要でしょう。
いま僕らは、“男性が男性に感じとる「粋」” のことを考えていますから、「女性視点」とは、
――男性が女性の主観を介在させる間主観的な視点
ということになります。
つまり、“男性が男性に感じとる「粋」” というのは、
――男色の観点から捉えられるべき「粋」
と、
――女性の主観を介在させる間主観的な「粋」
との2つを指しているのです。
かなり話が煩雑になってきましたね(笑